昨年11月14日に終値で8664円だった日経平均は、同12月には1万円大台を回復。この3月には1万2000を突破するなど、過熱感が高まっている。
それでは、株価の背景にある企業業績自体はどうか。儲けっぷりのいい高収益企業を、ROE(自己資本利益率)を使って探してみた。
今期ROEは、今期予想純利益を自己資本で割って算出。自己資本を使ってどれだけの利益を上げられるのかがわかる、企業の収益性を図る指標だ。
ROEが高いほど、投資家にとって魅力的とされ、5%は欲しいと言われる。もちろん、注意すべきは、分母となる自己資本の大きさだ。自己資本が小さければ、利益水準が低くても、見た目のROE は高くなりうる。それは必ずしも健全な状況ではない。ROEは自己資本比率とセットで注目すべき指標といえる。
主力企業ではソフトバンク首位、傘下のヤフーも上位
今回、ROEの高い会社を探すために、2つの基準でランキングを作成した。
まず、時価総額が1兆円以上の主力企業に絞り、増益率を問わず、自己資本比率の条件を10%以上と緩めにして「主力企業トップ50」を作成した。
1位は、今13年3月期のROEが31.3%とダントツのソフトバンク。自己資本比率は20%と、もう少し厚みが欲しいところだが、アイフォーンを軸に携帯電話の契約を伸ばし、傘下のヤフーのスマホ広告も加速して利益が続伸している。来14年3月期は国際的な会計基準であるIFRSの適用を開始。買収した米スプリントの費用増などもあって利益は後退しそうだが、PER(株価収益率=株価÷1株当たり利益。一般にこの数字が大きいほど株価は割高、低いほど割安)が18倍程度と、依然として株価に過熱感は薄そうだ。
2位はユニクロやジーユーを展開するファーストリテイリング。今13年8月期のROEが22.5%と高いうえ、自己資本比率も65%と厚みがある。今期は、ユニクロの店舗増、冬場の機能性商品が牽引し、既存店も強含む展開。前期にあった綿素材高も落ち着き利益続伸。最高益を更新する可能性が高い。さらに来14年8月期も利益が膨らみそうだ。
3位はソフトバンク傘下のヤフー。ソフトバンクとは違って、自己資本比率が8割を超す好財務。今13年3月期は主力のネット広告がスマホ経由の検索型で好調だ。また、表示型も昨年末の総選挙特需が上乗せとなり利益が膨らむ。来14年3月期も、有料会員値上げの通期化が効き、販促負担をこなし利益の拡大が見込まれる。
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