東日本大震災、タイの洪水、そして超のつく円高に悩まされた国内メーカー各社。それが災害からの復旧や、アベノミクス期待を受けての円安転換もあり、復活が鮮明になってきた。
3月15日に発売された『会社四季報』春号を見ても、前期は減益を余儀なくされた、自動車メーカーをはじめとする国際優良銘柄のV字回復ぶりが鮮明に出ている。
上位を自動車が席巻
東洋経済オンライン編集部では今回、『会社四季報』春号データを用いて独自にランキングを作成するに当たって、前期に減益となったものの、今期、来期とも大きく回復する企業に焦点を当てた。
まずは、来期の営業増益率による「増益率トップ50ランキング」。ベスト5のうち、実に3社が自動車で占められた。前期は震災によるサプライチェーン(部品供給網)の寸断やタイの洪水影響が痛手となったが、そこからの改善がすさまじかったのが今期。さらに来期も伸びる企業のランキングで首位になったのは、富士重工業。今期は前期比で143%増益と大きく、来期も50%近い増益が見込まれる。主力の米国市場が増勢、国内も好採算の登録車の販売が増えそうだ。
2位はトヨタ自動車、これほどの規模を誇りながらも今期の営業利益が前期比で3倍以上に拡大。来期もさらに5割近く増加と急回復しそうだ。ハイブリッド車はエコカー補助金の効果が大きかったため、来期は上期中心に国内では反動減があるものの、北米、東南アジアが好調であり、中国も持ち直しそうだ。円安によって輸出採算が好転する効果も大きい。
このほか、4位にはホンダが入ったため、自動車メーカーがランキング上位5社中3位を占めた。
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