2012年度「新・企業力ランキング」トップ300 財務面から見た、2000社の真の実力

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首位となった国際石油開発帝石のアゼルバイジャンにあるプラント

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「新・企業力ランキング」トップ20の推移

業種別「新・企業力ランキング」ベスト20

株式投資に就職活動、取引先の調査など企業分析の際に欠かせない情報が財務データだ。東洋経済が毎年作成している「新・企業力ランキング」はこの財務面から企業の真の力を探ろうというもの。そのままでは扱いにくく、比較しづらい財務指標(計20)を、成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーに当てはめ、3年平均値を多変量解析の「主成分分析」によって相対評価を行い、カテゴリーごとの得点を算出、合計して総合ランキングを作成した。

財務指標の分析で企業を相対評価する

ランキング対象企業は2012年9月1日時点で上場している一般事業会社(銀行、証券、保険、その他金融は除く)だ。

第7回となる今回の総合ランキングトップは2年連続で国際石油開発帝石(国際帝石)となった。成長性884点、収益性938点、安全性953点、規模1000点といずれも高得点。総合得点3775点は2位を100点以上引き離す断トツの数字だ。

国際石油開発帝石は、原油高で販売価格が上昇、12年3月期の売上高は1兆1867億円と前年の9430億円から25.8%増加した。営業利益は前年比33.9%増加の7093億円で、売上高営業利益率は59.7 %と前年を上回る高い数字になった。自己資本比率もここ数年70%前後を維持するなど財務体質の強さも際立つ。

東日本大震災後、日本の電力は火力発電が中心となっている。電力の安定供給には原油や天然ガスの確保が欠かせない中、エネルギー供給を支える同社の好業績はしばらく続きそうだ。

2位は3年連続でヤフー(総合得点3648点)。成長性907点、収益性966点、安全性973点、規模802点だった。売上高が3000億円を超えても成長性を持続している。過去の利益の蓄積で安全性も高まり、昨年と同じ順位を維持した。1位の国際帝石と比較すると、成長性、収益性、安全性はヤフーのほうが得点を上回っているが、規模で離されて2位となった。

3位は前年9位から上昇したファナック。総合得点は3601点で成長性888点、収益性864点、安全性997点、規模852点とバランスよく得点した。工作機械用NC(数値制御)装置世界トップであり、独自技術に強みを持ち、高収益企業として知られる同社が着実にランクアップしてきた。

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