『生しょうゆ』『生ドーナツ』…日本人はやっぱり“生”が好き? 《人気の背景と技術の進化》 いかにも「日本らしい食べ物」と言える理由

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生しょうゆ、生酒、生ドーナツ
生しょうゆ、生酒、生ドーナツ……。日本では「生〇〇」とする商品が人気だ(画像:キッコーマン、月桂冠、peace putプレスリリース)

「生ビール」がおいしい季節。「生しょうゆ」を垂らした、冷ややっこのつまみはどうだろうか。2杯目は「生酒」という人もいるだろう。

甘党は、流行中の「生ドーナツ」で小腹を満たすかもしれない。流行と言えば、少し前は「生食パン」「生キャラメル」も大人気だった。今の時期はあまり手が伸びないかもしれないが、「生チョコ」も定番スイーツの一つ。

日本人は「生〇〇」に、つい手が伸びがち。「生」と付くだけで、ありがたみを感じるのはなぜだろう? なぜ「生〇〇」は成立できるのか。人気の「生〇〇」誕生の歴史を紐解きながら、その要因を探ってみたい。

「生○○」普及の背景に「技術の進歩」

キッコーマンが、「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」を発売したのは2010年。通常の醤油製造で行う微生物の活動を止めるための火入れを、同商品ではしていない。それは特殊なフィルターで微生物などを除去しているからで、パウチタイプの密閉容器に入れて鮮度を保つ。

商品誕生の経緯について紹介した『PR TIMES STORY』(2025年5月27日配信記事)によると、この容器は自立型でキャップ付き。開栓後も常温で鮮度を保つ。

もともと顧客から要望が多かった、自立型で品質が劣化しない容器の開発には10年以上を要したという。実は1966年にも商品化したことがあったが、鮮度を保つことが難しく、「それほど普及することなく販売をやめた」という説明も記事にある。当時はまだ、必要な技術を開発できなかったのである。

『キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ』のパッケージ構造
『キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ』のパッケージ構造(画像:キッコーマンプレスリリース)
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