経営者にとって一番大切なことは、いばることではなく、会社を発展させる道を見つけ出すことやな。わしはできるだけ、部下の話に耳を傾けるということを、心がけてやってきた。
どうしてかと言うとやな、そりゃあ、聞けば、きみ、いろいろな考えというか、知恵というか、いまの言葉でいえば、情報やな、情報を集めることができるわな。とくに今日のように情報を集めながら、仕事をせんならん時代は、部下や多くの人から話を聞くということは、きわめて大切なことと言えるわな。
人間ひとりの知恵には限度がある
人の知恵は借りない、人の話は聞かないということで、自分でなんでも考えて結論出して、それで成功すると。まあ、そんな人は、普通はおらんね。正直なところ。人間ひとりの知恵には、限度があるわな。そんな限度ある知恵で無数の課題をもつ経営をしようとしたら、うまくいかんのや、わしの経験から。
きみの知っておることと、わしの知っておることと同じではないわね。わしの知っておることもきみは知らんと。けど、きみの知っておることも、わしは知らんと。まあ、そういうもんやろ。知らんことを尋ねること、聞くことによって、お互いに知識とか知恵とか身につけることが出来る。そういうことで、部下の話を聞くということは、ごく自然に、たくさんの知恵を集めることができる。自分以上の、たくさんの知恵を集めることができる。なあ、便利やろ。
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