「100歳まで死ねない」時代、一流はこう働く

「ワーク・シフト」の著者が教える人生戦略

人口減少が起こっても人工知能とロボットが人間を代替するから問題ないという意見もある。しかし2016年の日本では、有名企業であっても、人工知能をつくるエンジニアが採用できないという声ばかり聞く。

グーグルやフェイスブックといったシリコンバレーの巨人たちはコンピュータサイエンス学部を卒業したばかりの学生たちに2000万円を超える年収を用意して待っている。海外の著名な人工知能学者たちは、複数の顔を持つことが普通である。大学教授であり、企業の研究者であり、外部コンサルタントでもある、といった具合だ。そんな彼らに、終身雇用、年功序列、横並び給与といった仕組みが魅力的に映るとは思えない。

優秀な才能の奪い合いにおいて企業ができることはまだまだある。才能ある独立した個人を男女問わずにプロジェクトごとに取り込むことこそ、日本企業にとって目の前にあるオープン・イノベーションとなるだろう。

本書には、グーグルがキャリコ(カリフォルニア・ライフ・カンパニー)という「健康、幸福、長寿」を研究する会社を700億円以上を投じて設立したことが記載されている。日本企業もこの分野での事業開発を検討してはどうだろうか。

自分のバージョンアップ

2016年の日本では、65歳以上の高齢者は3461万人、総人口に占める割合は27.3%となった。私たちは世界で最初に超長寿社会を体験することになるだろう。本書によれば、人間はネオテニー(幼形成熟)のように思春期的な特徴を保ち続け、高度な柔軟性と適応力を維持すべきなのだという。

今までロールモデルだと考えていた年長世代は、もはやロールモデルにならない。一方で自分らしい人生を模索できるのは、100年ライフの贈り物だろう。人生の出発点で与えられたものとみなされがちなアイデンティティも、長寿社会では、不変のものではなくなってくる。本書が示唆するように、アイデンティティとは自ら主体的に構築していくものだと再定義してみてはいかがだろうか。

自分1.0、自分2.0、自分3.0というように、自分をバージョンアップさせていく人には、本書は大きなヒントを与えてくれるだろう。海外の事例が多いという側面もあるが、データとして基本的なところは説得力がある。日本人が本書のような繰り返しの学びを実践したら、むろん、自分をバージョンアップできることだろう。

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