ということが起きました。会社はお客様の声に耳を傾けないと、本当に生き残れない時代になったのです。
取材した食品商社では、経営者が朝礼で「君たちが顧客のことを考えていないとしたら、何も考えていないのと同じだ」と語っていました。ほかにも
「顧客ニーズが起点」
「徹底して、買う側の立場で考えろ」
と、顧客志向を標榜する発言をしていました。あくまで収益を向上させるために会社のあるべき姿なのですが、もはや当たり前のスタンスとなってきたのではないでしょうか。
さて、顧客志向は営業部門だけでなく、商品開発や管理部門まで、理念(あるいはビジョン)として共有される職場が増えていま。取材した食品メーカーでは顧客志向の重要性を新入社員の導入研修から徹底的に理解させるプログラムがあるそうです。具体的には
・現場で実演販売する
・お客様の声に耳を傾ける
という厳しいもの。「他社に比べてイマイチだよね」とキツイ指摘を受けて、そこから真のニーズを見出すのが目的のこともあるようです。こうした研修を通じて、プロダクトアウト的な発想(会社側の都合を優先するやり方)に陥らないようにしていくのでしょう。
先日、取材した携帯電話メーカーの販売店では、「お客様のご要望にはノーと返さない」をモットーに、トコトン顧客志向を追及した対応を心掛けている……と責任者が誇らしげに語ってくれました。そのメーカーはつい最近まで「できません」「無理です」などと、顧客志向とは程遠いイメージがあったので驚きの転換でした。
増える、感謝されたい日本人
一方で、顧客志向という言葉に縛られすぎている社員の仕事ぶりに、頭を痛める職場が増えています。それは
《行きすぎた顧客志向で同僚を混乱させる社員》
による困った行動。仕事の域を超えた対応をしようとして、会社の利益や同僚の迷惑を顧みなくなってしまうのです。
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