タロウさんが不安だと尋ねてきたポイントについては特に問題なかったので、代わりに筆者が気になったこの部分を書き直すようにアドバイスしました。どんな文だったかは聞きませんでしたが、どうやらタロウさん、その部分を初めは丁寧に書いていたらしいのです。すると上司から「向こうが間違えているのに、こっちが下手に出るのはおかしいから書き直せ」と言われて、直接的な方がいいと思い、You told me the wrong date.としたそうです。確かにその上司の言い分もわかりますが、書き直しが極端すぎました。媚び口調から突然けんか口上になってしまったようです。タロウさん、「相手を怒らせて、また上司に怒られるところでした」と書き直していました。
「話が違う」というアプローチで指摘する
日本語でも「~だと思ったのですが……」と、自分の見解と事実との相違を述べることで、相手のミスを指摘することがありますが、英語でも同じような表現があります。
It was my understanding that shipping was included in the price.
(〔おかしいですね…〕、送料込みの値段だと私は思っていたのですが)
もちろんシンプルにI thought that ~を使っても「~だと思った」という意味にはなりますが、my understandingを使うことで、「自分の見解と事実が違う」という部分を強調したニュアンスにすることができます。
これによって、暗に相手のミスを指摘するのです。「~だと思っていたのですが、あれ?違いますか」という感じの発言です。I thought that ~と言うよりも、「あれ?おかしいなあ……」という気持ちが乗っているのだと覚えておくと使いやすいでしょう。
この構文は、相手のミスの指摘やおかしな事実の指摘だけでなく、言い訳をする際にも使われます。何かミスや失敗があった際に、「自分がそれを行なったのは(事実とは違うかもしれないが)こういう見解だったから」で、「ミスをしたのは自分の能力のせいではなく、間違った見解を持っていたから。正しい見解のもとであればミスはなかったはず」というロジックの言い訳になります。
B: Well, my understanding was that the meeting had been postponed till next week.
(あれ、私、会議は来週に延期されたとばかり思っておりました)
タロウさんに、他に気になることがあるか尋ねてみると、相手に対して「今後気を付けてほしい」的なことを書いた部分が不安とのことでした。相手がいつも同じようなミスばかりするので、「いいかげんにしろ」と言いたいそうで、少しきつめにしたいらしいのです。タロウさんが書いた文は、こんな感じでした。
これで意味は通じますし、格別失礼というほどでもありません。相手が悪いのですし、多少上からな感じで命令文でも構わないでしょう。again and againと書いたあたりに、タロウさんがいらだっているのを表現したい気持ちがよく感じられますね。少々、口語的な響きがするのは、again and againと繰り返したせいかもしれません。
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