良い値上げ 悪い値上げとは?

脱デフレの処方箋

「消費者物価の前年比上昇率2%の目標を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する。量・質ともに次元の違う金融緩和を行う」

4月4日に開かれた金融政策決定会合で、黒田東彦・日本銀行総裁は、就任前の公言どおり、大胆な金融緩和を決めた。

その内容とは、政策目標を、マネタリーベース(資金供給量)に変え、その規模を、12年末138兆円だったものを14年末270兆円へ倍増させるというものなど。市場にとって期待以上の緩和で、日経平均株価は発表後に500円近く上昇し、4年半ぶりの高値水準である年初来高値に迫った。

だが、こうした政府・日銀の政策は、はたして日本経済にとって望ましいものなのか。

金融緩和によって生じる物価上昇には「良い物価上昇」と「悪い物価上昇」の2種類がある。

良い物価上昇とは、金融緩和による円安で、輸出企業の採算が向上。従業員の賃金が上昇して消費が活発化。設備投資も増え、景気拡大の好循環が生まれ、需要が拡大する中で物価が上昇していくというものだ。

悪い物価上昇とは、円安によって輸入物価が上昇。資源・素材が値上がりし、内需企業の収益が悪化。賃金が減り、購買力は低下するのだが、商品の価格だけは上がっていくというものだ。需要が増えない中での物価上昇は長続きせず、いずれ物価が下落するデフレに逆戻りする可能性がある。

2種類ある中で、日本経済はどちらのルートが強いのか。

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