日本株は、いったん暴落する可能性がある

インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆予測

単独のリスクが順番に炸裂するとは限らない

「1ドル=120円くらいまではまったく問題なく、円安になるのではないか」とまで聞いた。

いつになく緩い見通しを語るこのマーケットの猛者である盟友の言葉を聞いて、私は正直、背筋が寒くなった。「このレヴェル」のリスク感覚を持った人たちであっても、あまりにも無防備であることが明らかになったからだ。彼が言うとおり、確かに個別のリスクについてはそれが何とか収束するような可能性を考えることは十分可能だ。それでもなお私は「しかし・・・」と食い下がってこう言ったのである。

「単独のリスクが順番に炸裂するだけなら、出遅れた量的緩和・金融緩和の影響で円安へと誘導され、日本株は高騰し続けるでしょう。ただ、リスクが単独・個別にではなく、何らかの理由で一斉かつ連鎖的に炸裂したらどうでしょうか」

これを聞いたマーケットの猛者である盟友は大きくうなずいた。「なるほど、それは確かに別の話だ。ありとあらゆるリスクが同時に炸裂するようなことがあれば、今やコンピューターのアルゴリズムによって取引されている金融マーケットは大混乱に陥るはず。なぜならばそうした取引システムの上で多くのリスクは個別に観念・管理されているからだ。これに対して、同時にリスク炸裂となるのはまさに想定外なのであって、コンピュータそのものが判断停止となる危険性が高いと思う」

たとえば2月24、25日に実施されたイタリアの国政選挙。この選挙において、それまで強烈な緊縮財政策を推し進めてきたモンティ前首相を支持する勢力は惨敗した。その結果、「イタリアは再び放漫財政路線に回帰するのでは」との憶測が乱れ飛び、ユーロの対円レートは急落。そのあおりを受けて1ドル=94円台だった為替は、一瞬「90円台」をマークするまでの急激な円高となったのである。これを受けて日本株も崩落したものの、まなく上昇基調に回帰し、円ドルレートも1ドル=96円台に程なくして戻ったのである。

次ページマーケットは、極端な楽観に傾くときが危ないというが…
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