なぜ私は、東大法学部をやめて留学したのか 私がリベラルアーツカレッジを選んだ理由

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東大に入学、そして留学を決意

今だから言える話ですが、正直、東大に合格したと知ったとき、アメリカの大学には行かなくてもいいかなとも思い、とりあえず1学期東大に通ってみてから決めることにしました。

東大での生活はすごく楽しかったです。授業は、教授がひたすら講義をし、学生がノートを取る大人数のものが多いのですが、1、2年の間は教養教育なので、法律、政治、心理、経済、生命科学など、さまざまな学問に触れることができます。中には、知識詰め込みばかりではなく、論理的に自分で答えを導き出す練習の機会を与えられる授業もありました。

たとえば、「ツタンカーメンのDNAの配列の一部を基に、エジプトの遺跡で見つかった何体かのミイラのDNA配列の一部を見て、誰がツタンカーメンの母親か推測せよ!」というような問題が出されたり、ある人の目の映像だけを見せて、「この人の感情を推測し、その理由を400字以内で述べよ」というような、自分で考えさせる問題は、刺激的で面白かったです。ほかにも、どのように文章を読んでいくか、映像を見る際にはどのようなところに注意をすればいいのかという、学習の基礎力をつけることのできる授業もありました。

授業外では、第二外国語の選択で振り分けられるクラス仲間と多くの時間を過ごし、課外活動は庭球部とテニスサークルに入りました。こうした分野や学年の垣根を超えた交流を通じて、自分の世界がすごく広がりました。素晴らしい出会いをたくさん得ることができ、東大に入学してよかったと思っていました。

しかし、つねに頭に残っていたのは、春休みに姉の下を訪れたときのことです。友人にも恵まれ、東大での生活は楽しかったのですが、自分がどうしてもやりたい何かが見つからず、物足りない気持ちを抱いていました。悩みに悩んだ結果、留学して新しい環境に身を置けば、新たな発見があるかもしれないと思い、留学を決意したのです。

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