「負けるはずがない」という自信をつける方法

女子レスリング栄監督が選手にかける「言葉」

多くのメダルを獲得したレスリング。栄監督の指導法に学びます(写真:ロイター/アフロ)
史上最多のメダル獲得数となったリオデジャネイロオリンピック。中でも、金メダル4個、銀メダル1個という結果を残した女子レスリング監督、栄和人氏の手腕には注目が集まっています。
選手が入場し、マットに上がる直前まで声をかけ続ける栄監督。その言葉は試合前の選手に自信をつけるものであり、同時に競争激しいビジネスの世界にも役立つことでしょう。
"最強"の結果を生み出す「負けない心」の作り方』の著書もある栄氏に、「絶対的な自信をつける方法」を聞きます。

「やってきたこと」にフォーカスする

試合直前の選手は、戦う本能がピークに達しています。目の前の対戦相手を倒すこと、ここにすべてを集中させています。

吉田沙保里が「勝ちたいと思う気持ちさえも邪念」と言っているように、世界トップレベルの戦いの場では、「勝ちたい」「負けたくない」という“思い”すら、集中力の妨げになるのです。

私がセコンドとして選手につくときは、選手の集中力や闘争本能、自信を強化するように心がけています。ですから、「絶対に負けるな」とか「相手は大して強くない」など、感情を左右するようなことは言いません。

私が言うのは、「これまで世界一キツイ練習をしてきたんだ、お前ほど努力した選手はいない」ということです。

「勝つ・負ける」というワードは、それ自体「勝ちたい、勝てるかも、負けるかも」という感情を呼び起こしてしまいます。それは、吉田の言う通り“邪念”です。

だから、選手たちがこれまで「やってきたこと」を伝えるのです。やってきたことは事実であり、感情を動かすものではありません。

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