「負けるはずがない」という自信をつける方法 女子レスリング栄監督が選手にかける「言葉」

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ある程度の水準のゼネラリストであるうえでのプロフェッショナルであれ、ということではないでしょうか。

そう考えると、弱点強化は大きな課題です。

弱点は具体的にとらえて修正する

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私が選手を指導する際には、具体的な指摘をして具体的に修正点を伝えるようにしています。

「もっと気合いを入れて!」という精神論は、今の選手には響きません。「もっと素早く!」と言っても、まだまだ抽象的です。

「素早く」攻めるためには、相手と組み合った状態から、どのすきをついて、どんな動きをして攻めるのか。「素早い動き」というのを具体的にやって見せています。

選手が「これが素早い動きなのか」と理解し、自分で再現できるようになるまで説明しながらやってみせます。

“具体的に指摘する”というのは、やるべきことを細分化して、その一つひとつについて説明をして理解させ、再現できるようにすることです。

指導者が遠くから檄を飛ばしているだけでは、“指導”になりませんし、“指摘”したことにもならないのです。

ひるがえって、ビジネスでも弱点修正、弱点強化は重点課題です。たとえばあなたの弱点が「企画力不足」だとします。ただ単に「企画が立てられない」「新しい発想が生まれない」と悩んでいてもしょうがない。

企画が立てられないのはなぜか。新しい情報に対するアンテナが鈍いのかもしれない、自分の“引き出し”が少ないのかもしれない。できない理由があるはずです。その理由を考えて、一つひとつ解決策を講じていけばいいのです。

弱点を強化するプロセスでは、たくさんの努力をすることでしょう。ときには、今までに経験のないようなキツイ課題もあるかもしれません。ですが、それらをクリアしたとき、そのすべてが「やってきたこと」になるのです。そして「やってきたこと」は、「できないはずがない」「負けるはずがない」という自信につながっていくのです。

事実は裏切りません。やってきたことだけが、あなたの力になるのですから。

栄 和人 日本レスリング協会強化委員長(監督)/至学館大学レスリング部監督

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さかえ かずひと

レスリング選手として現役時代に全日本選手権は6度優勝、世界選手権は出場した5大会すべてで5位以内に入賞。
指導者として中京女子大学(現至学館大、至学館高校)において、吉田沙保里、伊調馨などを育てた実績が評価され、日本代表監督も兼務。以後、オリンピックと世界選手権で多数のメダリストを育てている。
2016年のリオオリンピックでは、女子レスリング日本代表の全6選手が至学館大学レスリング部出身という快挙を達成し、オリンピックでも4つの金メダル(登坂絵莉、伊調馨、川井梨紗子、土性沙羅)、1つの銀メダル(吉田沙保里)を獲得した。
著書に『"最強"の結果を生み出す「負けない心」の作り方』(KADOKAWA)がある。

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