デキる人の1日は「前日の寝る前」から始まる "入眠儀式"が翌日のパフォーマンスのカギ

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──最近は健康経営という言葉も身近になりました。部下の睡眠マネジメントも上司の仕事になる?

理想の上司像に、これからはぜひ「部下の睡眠に口を出す上司」という一項を入れてほしい。ビジネスパーソンは体が資本。部下のパフォーマンスを上げたいなら、資本のメンテナンスは必須です。仕事だけでなく、メンテナンスの技術を教えるのも大事な仕事。健康な体を維持するためのメンテナンスをサジェスチョンするのも現代の上司の責務では。

産業医をしていて最近増えているのが、メンタルの悩みです。眠れない、寝ても寝た気がしないなど、不眠症とうつは非常に相関関係が強いのですが、そんな部下にどんどん仕事を負わせる上司がいるんです。話を聞いてみると、どうやら部下の悩みに気づいてない。部下は体はしんどいしパフォーマンスも落ちてるんだけど、与えられたタスクをこなすためさらに睡眠時間を削ってしまう。そういう悪循環に部下が陥る前に、「キミ最近よく眠れてる?」と一声かけてみることです。もし不眠で苦しんでるなら何か対策を講じる、そこまで気を配る器が上司には必要なんじゃないか。生産性重視の時代ですから、なおさら。

睡眠の「見える化」

一流の睡眠―――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略(ダイヤモンド社/192ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

──まずは自分自身で睡眠習慣を改善してみる方法はありませんか?

本に詳しく書きましたが、自分の睡眠を一度「見える化」してみるのがお勧めです。「睡眠ログ」という手法で、入眠時間、起床時間、睡眠時間、目覚めの感覚、そして日中はどんな調子だったかなどを記録する。

目覚め感はスッキリ起きられたなら○、ダルい感じなら△、気分が悪かったら×など、ざっくりした主観でOK。日中のパフォーマンスは「午後が眠かった」「頭が回らなかった」「元気に過ごせた」など一言コメントで。そうするうちに自分の睡眠傾向がわかり、ベストな睡眠習慣の当たりをつけやすくなる。仕事のパフォーマンスとの関係性も見えてくるし、逆に限界ラインもわかる。

もう一歩進めて、睡眠ログにその前工程、「ストレッチした」「10分間湯につかった」「寝酒を一杯多めに飲んだ」なども付け足すと、どんな行動が睡眠の良しあしに影響するかの当たりの精度が増します。快眠パターンが見えてきたら、一連の行動を入眠儀式として習慣化してみる。良質な睡眠は眠る前から始まっていることを思い出しましょう。長い睡眠人生、気負わずゲーム感覚で、いちばん気持ちよく眠れる、あなただけの黄金ルールを見つけ出してください。

中村 陽子 東洋経済 記者

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なかむら ようこ / Yoko Nakamura

『週刊東洋経済』編集部記者

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