消費税還元セール禁止なら税額表示を明確に 150人の専門部隊率いる「税制のプロ」に聞く

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個人には所得税や相続税の最高税率アップ、企業には所得拡大促進で減税を支援……。14日から衆議院で審議入りした2013年度の税制改正法案は、久方ぶりに大きな見直しとなりそうだ。税理士や公認会計士など150人の人員を抱える、TOMAコンサルタンツグループの藤間秋男・代表取締役理事長に、今回の税制改正の評価について尋ねた。

――今回の税制改正では、個人には相続税や贈与税を増税する一方、企業には法人税を減税するメニューが目立ちます。どう評価しますか。

個人向けの相続税の最高税率は、バブル時はもっと高かった(1988年改正以前は最高75%)。今回の改正を受け、2015年からは50%から55%に上がる。しかし、バブル時に「高過ぎる」と批判されたのを、バブル崩壊と地価下落で大幅に下げたので、それを今回は調整したに過ぎない。確かに税率は上がるが、相続税収は年間1.4兆円程度なので、10兆円の消費税などに比べれば、額は小さいといえる。

所得拡大促進税は歓迎だが、課題も多い

一方、企業向けの一連の減税は、企業の活力を上げるためにも必要だ。たとえば、事業承継税制では、現在は納税猶予の条件が「後継者は親族のみ」だったのが、これが親族以外の人間でも可能になった。ただでさえ中小企業の75%は後継者がいない。会社を継いでもらうのには画期的な見直しだろう。

――安倍政権は財界に賃上げ要求をしましたが、税制面でも、給与を上げれば増額分の10%を税額控除する「所得拡大促進税制」などで、企業を側面支援しています。

 企業が給与を上げるために、税制で支援するのは、全般的にはいいことだ。ただ、給与を上げるのも正社員向けで、非正規の人をどうするか、また大手はいいが、その下請けまで含めて上げられるのかなど、課題も多い。
 税も大事だが、経済(環境)と経営は別。給与を上げるにしても、元になるカネ=売り上げがまず上がらなくてはダメだ。不況でも安定して利益を上げている企業はあるわけで、経営者は環境のせいにせず、負けない努力をしてほしい。

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