資生堂、社長交代のチグハグ 前田会長が兼務で復帰へ、会見を全掲載
――次の後継者を選ぶまでの時期のメドは?
前田会長 役員指名諮問委員会は、外部の社外役員が委員長を務めて、役員の選抜、評価等を審議してもらっている。執行が考えていることに対するチェックを行う役割がある。その中に特別部会がある。社外役員のみで構成される。この委員長も社外取締役だが、社長の任期を決めるような審議はしない。むしろ、この人がどういう能力を持ち、将来の社長像に結びついていくのか、そのためにはどういう点を克服していくのかというようなことを審議してもらう場だと理解してもらいたい。
「4年はあっという間に来てしまう」
――前田さん自身のタイムスパンは?
前田会長 これといったタイムスパンはないが、社内の内規では4年。委員会でもそういう認識ではある。ただ、4年はあっという間に来てしまう。4年に加えて2年。
――4年プラス2年?
前田会長 最長でも(4年プラス)2年というイメージ。
――末川さんは社長として業績不振の責任をどう考えているか。前田さんも会長として、代表取締役として、二人三脚でやってきたはず。同じくどう考えているか。
末川社長 就任以降、本当に厳しい外部環境の変化があった。今年については四半期ごとに業績予想を下方修正してきたことも事実。ただ、これらについては常に課題の解決に向けていくつもの手だてを打った。まっとうしたいという気持ちもあるが、持ち前の全力疾走をするのは困難な健康状態にある。
――今回の辞任はあくまでも体調不良と?
末川社長 はい。
前田会長 末川さんは、二人三脚で長い間頑張ってきた仲間である。大変心苦しいかぎり。私は執行をすでに離れているとはいっても、経営に大きな責任を持っている立場なのは間違いない。私の責任の果たし方も役員指名諮問委員会でも議論があった。退けばそれで責任が果たせるのか、末川さんが病気の中で退いてしまうのは、本当にいいことなのか。それよりもほんの短期間であっても、しっかりと舵取りをもう一度やることで自分の責任を果たしていくべきではないかという意見もいただいて、結果的に引き受ける形になった。そういう意味で、厳しい業績について大きなものも担っていると思っている。
――末川さんは社長職だけでなく取締役も含めて退かれる。具体的にはどういう体調の状態なのか。
末川社長 普通の生活は大丈夫。入院の必要はない。しかし、持ち前の全力疾走ができなくなった。社長業も取締役も含めて継続するのは困難と判断した。