6人でスタートしたノバレーゼは、現在800人ものスタッフを抱える組織に。植野さんは800人全員が「大好き」だと言います。
「中には問題があるスタッフも確かにいます。でも、それも個性だと思うんです。本気で理解しようとすれば、相手もきっと答えてくれるんです」
こんなふうに「社員にとことん寄り添ってくれるリーダー」の植野さんですが、一方で、これとは真逆にも聞こえる、リーダーとしての信念も教えてくださいました。
「『いい人になるな』。これはつねに、自分自身の肝に銘じています」
「メイクが変」「服装が悪い」…残さず言う
接客業では、見た目は非常に大事です。植野さんは部下をひと目見て気が付いたことは「躊躇なくすべて」指摘するようにしています。「髪型がおかしい」「メイクが変」「服装が悪い」などなど。こと細かに、残さず言います。それで嫌われてもいい、と言うのです。
「きっと若い社員からは『口うるさいババア』と思われているはず。でも、それで構いません。その社員が10年後に『あの時、植野さんに言われた通りだった』『役に立った』と思ってもらうことこそ、私の仕事ですから」
部下や後輩ができると「判断」して「決断」しなければならない局面がたびたび出てきます。それはときに恐ろしく、とても勇気がいることです。植野さんはいざというときの「決断力」を磨くコツとして、早いうちから「判断の添削を受ける」という方法をアドバイスしてくれました。
「何かを判断しなければならないのに迷うのは、多くが二者択一の場面かと思います。そういうときに、上司にただ『どうしましょうか』『どっちにしましょうか』と丸投げするのではなく、いったん自分で考えて、自分なりの答えを出したうえで『私はこう思いますが、いかがでしょうか』と相談します。この相談を、高い判断力を持っている上司にするのです。
すると答えが返ってきたときに『こういう場合はこう判断するのがベターなんだな』と、ひとつの経験として残ります。これを積み重ねると、いずれ自分が本当に迷ったとき、『あのケースはこうだったな』と思い出して判断できるのです」
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