女性管理職や女性リーダーがまだ浸透していない営業の世界で、植野さんは際立つ存在。ひとたびお話しを聞くと、全身にエネルギーをみなぎらせてわが道を突き進んでいるような印象を受けますが、意外にも、かつては「リーダーシップ」について完全に誤解しており、大失敗した経験があると言います。2002年、ドレスショップ「ノバレーゼ名古屋」でマネージャーを務めたときのことです。
「強くなくちゃいけない」に訪れた限界
「私は当時、『リーダーは強くなくちゃいけない』と思い込んでいたんです。だから部下にはひたすら厳しく、どうして業績が上がらないのか、どうしてできないのかと、文句ばかり言っていました。部下が泣き言を言ったり、辞めたいというと、あろうことか『あっそ。じゃあ辞めればいいじゃん、私はひとりでやるから。あなたたちがいなくてもできるから』などと言い放っていたのです。ありえないですよね」
しかしある日、ひとりの女性スタッフから本音を突きつけられて、そんな「恐怖運営」に限界が訪れます。「私たちだって頑張りたいと思っているのに、植野さんからそんなふうに言われたら、みんながやる気をなくします」。そして8人いた部下が、ぽろぽろと辞めはじめたのです。
「そこでようやく気が付いたんです。私は間違っていたと。ずっと怒って、ガミガミ指摘してばかりで、部下のことを気にかけたり、聞く耳を持っていなかったんです」
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