人望を得るリーダーは365日「開かれている」

「力任せ」だった彼女が突如立たされた苦境

植野真理子(うえの・まりこ)/結婚式の企画・運営、サービスを行うノバレーゼの取締役営業本部副本部長、婚礼プロデュース部門・婚礼衣裳部門管掌。元々は別の会社で、ウエディングプランナーとして活躍していたが、2001年にワーカホリック(現ノバレーゼ)に創業メンバーとして入社。直営第1号店のドレスショップ「ノバレーゼ名古屋」でマネージャーとなり、営業の第一線でリーダーとしての道を歩み始める。新店舗の立ち上げなど、事業を軌道に乗せることに貢献

これをきっかけに、スタッフの意見を聞いたり、自分一人でできないことは積極的に部下を頼って任せたりするようになったと言います。

以来、植野さんは「スタッフとの信頼関係を築く」ことを何よりも大切にしてきました。部下にとって、上司からの指示を気持ちよくこせるかどうかは、「何を言われるか」ではなく、「誰に言われるか」にかかっていると気が付いたからです。「この人に言われた以上は一生懸命にやろう」と思ってもらわなければ、多くのスタッフを動かすことができないのです。

でも、この「信頼関係」はどうやって築いたらいいのでしょう? 植野さんは当初、分からずに悩んだと言います。

「そこで、私に仕事の基本を教えてくださった、当時の社長に相談したんです。するとこう言われました。『プライべートを捨てろ。スタッフのために生きろ』。びっくりしますよね」

さすがの植野さんも、この発言には「え……」と固まったそうです。しかし、リーダーとして働き、行動していくうちに、社長が言った言葉の真意が分かるようになっていきました。

「365日、困ったことがあればいつでも電話して」

「社長が言いたかったのは、プライベートな時間を持つな、ということではなかったんです。心の底から部下のことを思い、考え、全力で尽くせるリーダーになりなさい、という意味だったんですね」

そこで、植野さんは自分の部下たちに「365日、24時間、困ったことがあったらいつでも私のケータイに電話してきて」と言って聞かせるようになりました。自分はスタッフに対して、つねに100%開かれた存在であり、いつでも彼らのことを考えているという態度に徹したのです。

そしてスタッフ一人ひとりの人物像や個性を、なるべく詳細に把握するようにしました。今では、どの店舗に行っても、顔を見るだけで「疲れているな」「調子がいいな」「悩んでいるな」と分かるようになりました。

悩みのありそうな社員にはその場で声をかけず、必ず外に連れ出して、食事やお茶を飲みながらじっくり話を聞きます。部下の問題を自分の問題として、親身になって一緒に考えるのです。

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