福岡の「楽園企業」は社員をここまで休ませる 社員満足最優先でも儲かる会社はつくれる!
――「社員満足主義」を掲げるきっかけは何だったのでしょう?
30歳のとき、工事現場で使われる足場などの建材販売からスタートし、10年後にレンタル業に転身しました。そろそろ新卒を採用しようと、学生向けの合同企業説明会に参加したものの、中小企業50社ほどのブースが並ぶ中、当社のブースには誰も来なかった。悔しいやら情けないやら、「うちはそんなに魅力がないのか」と愕然としましたね。
そこで、学生にとって魅力ある会社になるべく、30年前に職場改善に乗り出した。当時モデルにする会社はなくて、自分で労働基準法などの法規を勉強しました。
幹部は戦々恐々、若手は疑心暗鬼だったが
――どう進めたのでしょう?
まず掲げたのは、完全週休2日制と有給休暇の100%消化。社員からは猛反対にあいましたよ。幹部は「自分たちにシワ寄せがくる」、若手は「評価に影響するんじゃないか」と疑心暗鬼になり、営業からは「顧客にそんなこと言えない」と、総スカン。でも反対する社員に「これまで通りがいいのか?」と聞くと、皆「休みが増えたほうがいい」と。ならば実現するために動こうと、課題一つひとつと向き合い解決策を探りました。
有休消化が悪い人は3カ月ごとに皆が集まる場で名前を読み上げ、とにかく取得するよう徹底したところ、3年ほどで浸透しました。次に残業ゼロ、休日出勤ゼロに取り組み、20年前からほぼすべてを実現しています。
――学生の反応は変わりましたか?
目に見えて変わりましたよ。当社は都心から車で1時間ほどの郊外にありますが、福利厚生が評判となり、毎年2、3人の採用枠に数百人もリクルートスーツの学生が押し寄せる。ちょっと珍しい光景なので、テレビで取り上げられたこともあります。当初社内でいろいろ反発にあっても、年々入社希望者が増えていくことだけが頼りでした。
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