福岡の「楽園企業」は社員をここまで休ませる 社員満足最優先でも儲かる会社はつくれる!
女性社員は、経費削減の面でも大活躍です。営業が仕入れをする場合、数社比較して交渉したかどうかを担当の女性がチェックし、OKが出ないと発注できないシステムにしています。ほかにも会社の電気代、交際費、交通費など、それぞれの項目に女性の担当者がいて管理します。
たとえば、交通費の担当なら、必要のないときに高速道路を利用している人がいたら、「これはなぜ使ったんですか?」と本人に聞いてみる。それで皆の意識が高まり、ずいぶん経費を削減できています。
――社内がギスギスしませんか?
女性は柔らかく話してくれるし、新卒採用だからかな、人間関係がとてもいいんですよ。それに、育休を見込んで少し多めに人を採用し、残業がなく休みも取れるので、みんな心に余裕がある。だから、こちらもいろんなことをお願いできます。
会社案内の制作も、以前は印刷会社に頼んでいましたが、今は全部社内で作っています。子育て中で撮影がうまい社員がカメラマンとなり、プリントやホッチキス止めまで自分たちで。ただね、これも就業時間内でやってもらうので、決して急がせず、完成までに2年かかりました(笑)。
「年功序列と実力主義どちらがいい?」皆で考えてみた
――藤河さんはいつも「企業は人」と言われていますね。
嫌な思いもしてきたから、組織を作る上でいちばん大切なのは人だと痛感し、いい人材の確保と教育を重視しています。社員教育や研修はすべて自社で考え、社内の課題などをテーマに行います。
「年功序列と実力主義どちらがいい?」をテーマにしたときはおもしろかったですよ。やはり若い人は実力主義、ベテランは年功序列がいいと言う。そこでベテランが「実力主義は辛いよ。年を取ってもずっと全力で走らなければならないから」と発言し、若手はハッとしてた。ほかにも人事評価をどうするか、働くとは何かとか、さまざまなことを考え、他人の思いも知るいい機会になっています。
――ほかに社内で意識していることは?
社員には安心して働いてほしいから、会社の財務状況を公開しています。家計簿のようにわかりやすく書いたものを会議室に貼って。借金はなくて、これだけおカネがある、という状況を知れば、安心してもらえるかなと。
それから、就業規則は社員に積極的に知らせる。有休に理由はいらなくて、ただ休みますでいいんですよ、など、会社としてそういうことをきちんと伝えることが、社員の安心と信頼につながる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら