塩野:人が亡くなったとしても、自分のペルソナが残せると。
米倉:数少ないテキスト情報から逆算して、その人の人格はどういうもので、新しくアウトプットするとしたら何か。たとえばマイクロソフトの……。
塩野:レンブラントの新作の絵をAIで作るという試みですね。レンブラントが過去の自分が表現した筆致までコピって、なおかつ新作を描くならこんな絵だろ、というところまで予測したんですよね、あれがペルソナでできると。
米倉:たとえば五七五の俳句を詠むだけで、その人の性格まで分析できるようになるでしょう。
塩野:それくらい短くても可能だと。
米倉:少ない組成でどうしてその言葉を発したのだろうかを解析する仕組みが充実していくと、可能になりますね。
パーソナルAIは「理想の自分」
塩野:Bot同士が会話しそうですけどね。
米倉:それも起こるでしょう。人間側のやり取りは、たとえば名刺交換でも、毎回同じでルールで動いているので、それはAIで消化できると思っています。
塩野:公約数的な、共通モジュールはどんどん省略可能だと。
AIには生みの親と育ての親という問題があって、アルゴリズムがあってデータをAIに入れたあとに変化しちゃうじゃないですか。自分のBotを世の中に放したら、Bot自体がインプットを受けて変化しないかなと思うんですが。
米倉:それはその方のコントロール次第ですね。僕が目指しているのは理想の自分。僕はビジネスの時に使う自分とは、「理想の自分を作っていること」だと思っているんです。僕は、家に帰ると本当にだらしない人間なんで。
塩野:私もまったく一緒です。1%しかCPUを使っていない状態。
米倉:ただ外に出るとビジネスの顔を作っていると。つまり、人は自分をデザインしているんですよ。
塩野:考えると気がめいるくらいその通りです(笑)。
米倉:そのデザインにも限界があって、僕は記憶力が弱いんで、片っ端から忘れてしまう。財布とかクレジットカードとかしょっちゅう忘れてスタッフに迷惑かけている。「忘れる」組成は、理想からすると邪魔なんですよ。賢くありたいじゃないですか。と、考えた時に、そういうものをデータで与える。僕にとっての理想は忘れないことなんで。
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