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「ビッグ・ブラザー」のAI支配は危なすぎる 「パーソナルAI」は人工知能の民主化運動だ

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  • 塩野 誠 経営共創基盤(IGPI)共同経営者/マネージングディレクター JBIC IG Partners 代表取締役 CIO
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塩野:それが一定の環境という意味ですね。メール人格、チャット人格、誰々さんとのあいだにおける自分の人格。

米倉:僕はそれを「ペルソナ」と呼んでいますが、限定するとやりやすい。人間はペルソナをコントロールしていて、コントロールする意思が何らかの形で裏側に別のレイヤーとして存在している。

塩野:人間にはコミュニケーションの対象になる人の数だけペルソナがいますからね。

米倉:これは、「人間の思考とは何ぞや」というものを解析しているのに非常に近い。人の考えは人の考えで構成されておらず、一般とは何ぞやということで構成されていることが多い。一般という便利な単語が存在していて、みんな一般というけれど「偏った一般」なんです。

塩野:「フツー」というヤツですね。

米倉:はい。「フツーこうだよね」には反対意見が絶対に存在していて、それにもかかわらずフツーはそうだよね、という会話が僕らの中でかなりの比率を占めている。その中で、個人的意見のセリフも、一般との比較でしゃべっていて、実は無個性だったりします。

塩野:そうやってでき上がった、もう一人の人工知能「個人ペルソナ」はどういったところに使われていくんでしょうか?

「僕の代わりに僕が働く」時代がやってくる

米倉:個の力を最大化するのが僕の永遠のテーマ。自分のパワーを上げるためにどうしたらいいか? 僕の弱点は24時間働けないこと。そして、できるだけ働きたくないこと。肉体があるので移動に時間がかかること。

塩野:身体性による限定がある。

米倉:インターネットとコンピュータはそこが得意です。

塩野:あいつら寝ないですからね。

米倉:そこをフル活用する方法に向いている。たとえばAI関連でNLP(自然言語処理)の技術を持った人材に求人を出すとします。でも日本国内では少数でまかなえないから、世界中にオファーをかける。相手を説得するにあたって、僕がぜんぶやるのは時間的に無理です。それをAIに代行させる。

塩野:自分のBotがいろいろなところに説得しにいってくれる。

米倉:僕の中ではそれが理想的なコンピュータの姿。「僕の代わりに僕が動く」、に近い行動をする。難易度はありますが、すべての範囲をカバーできずとも、コンピュータにやれる部分がかなりあると僕は思っています。

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【人が亡くなったとしても…】

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