「キャラ」を使い分けるのは、悪いことですか 人を生きづらくさせる「観客からの圧力」

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あなたにも「演じているキャラ」がありますか? 精神科医・名越康文の公式メルマガ「生きるための対話」からお届けしています(写真 : ktsimage / PIXTA)
[Q] キャラを作るのは良いこと? 悪いこと?
ボケキャラ、ツッコミキャラ、ギャルキャラ……最近の若者の間では、付き合う友人によってキャラを使い分けることが一般的になっています。これって良いこと? それとも悪いこと? 名越先生はどう考えますか?

 

[A] 「キャラ」を作るなら、自分が成長できるような工夫が必要

学校でも職場でも、友人関係でも、自分の「居場所」を確保するということは大切なことで、「キャラ」というのはそのための有力な「ツール」だと言えるでしょう。

リーダー的なポジション、参謀的なポジション、ボケ、ツッコミなど、キャラクター設定はさまざまですが、わかりやすい「キャラ」を作って演じることは、仲間の間で自分の居場所を確保するのにある程度有効です。

キャラは周囲の求めに応じてでき上がるもの

当記事はプレタポルテ(運営:夜間飛行)の提供記事です

ただし、「ある程度」ということは、そこには限界や、デメリットもある、ということです。その大きな理由は、そもそも自分の「キャラ」というのは、ほとんどの場合、自分だけで選び取ったものではないことにあります。

多くの場合、その人のキャラというのは、周囲の他人の求めに応じて自然にでき上がるものです。つまり、ある人が「ムードメーカー」のキャラに落ち着くのは、グループ内でそういうキャラが求められたから、ということですね。

もちろん、最初はそれでいいんです。ただ、これって意地悪な見方をすれば、周囲の人にとって「扱いやすい」キャラに、その人を押し込んでいる、という人間関係の力学の結果だということもできるわけです。

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