なぜ僕はMITを目指したか

就職活動から夢追い活動へ

もしあなたが小石をのみ込もうとしているなら

もちろん、米国大学院学生会の活動の目的は、日本の学生に一律に留学を薦めることでもなければ、日本に残る道と海外へ出る道を比べその優劣を語ることでもない。

事実、日本社会でカッコよく活躍している人は大勢いる。僕の父親がそうだし、僕の妻がそうだし、また僕の多くの友達もそうだ。「グローバル」ばかりが偉いのではない。きっと9割の日本人は、自分の夢や目標が日本国内にあって、国外よりも国内のほうがより活躍できる人だ。ならば誇りを持って日本にとどまる道を選べばいいと思うし、そうやって頑張っている人たちを僕はとても尊敬している。

僕たちはただ、残り1割の物わかりが悪いはみ出し者たちに、就活情報誌に載っているよりもはるかに多くの選択肢がこの広い世界にあることを知ってほしいのだ。

敬語を正しく使う、場の空気を読む、お酌をする、そんなガラパゴス的な特殊技能が使えなくとも、何の引け目もなく自分の好きなことに没頭できる場所がある。「自由に生きろ」などというロックの歌詞をいい年をして真に受けるような青くさい奴も、冷笑を浴びることなく夢を追える道がある。そのことを伝えたいのだ。

鴻鵠(こうこく)の志をエントリーシートの四角い記入欄に無理やり押し込める必要はない。収まりきらなければ収めなければいい。はみ出し者扱いをされるくらいなら自分から飛び出してしまえ。

もちろん、夢は追い続ければかなうなどと、ディズニー映画の台詞のようなことを言うつもりはない。かなう夢の数よりも破れる夢の数のほうがずっと多いことくらいは僕だって承知している。長い人生の中には、受け入れなくてはならない不条理なんて山ほどあることも知っている。

それでも、たった20歳そこそこで違和感をのみ込み夢を妥協しなくてはいけないほどには、世界は狭くなく、人生は短くはないとも、僕は思う。

だからもし、あなたが入学試験や就職活動の準備を始めるとき、何か喉につっかえる違和感を感じたならば、それを無理してのみ込む前に、この島の外に自分がより活躍できる場所があるのではないかと、一度立ち止まって考えてみてほしい。そして、もしあなたが学位留学の道を選ぶならば、僕たちはそれを全力で応援する。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。