米国大学院学生会について
最後に、米国大学院学生会の活動について、手短に紹介することをお許しいただきたい。
われわれは主に3つの活動を行っている。
第1が、本文中で触れた留学説明会だ。僕は多くの留学生たちの話を客席から聞き、どれも非常に面白いと素直に感じた。普通の道をわざわざ外れ、学位留学という特殊な道を選ぶには、皆、何かしらの強い理由がある。その理由は十人十色だけれども、皆、のみ込みきれずに吐き捨てた何かがあって、彼らを海の向こうへ駆り立てた夢や、情熱や、使命感がある。それを彼らが自分の言葉で語るから、面白いのだと思う。
第2が「ニュースレター」だ。留学生の体験談や出願情報だけではなく、学校の自慢、わが町紹介など、留学説明会では伝えきれない留学生の声を、幅広く発信するための活動である。僕も連載記事を寄稿している。
上述のように、留学生たちは皆、面白い身の上話を持っている。それらが記録されないまま風化してしまうのは実にもったいない。そこで、体験がまだフレッシュなうちにそれを文章に書き留めてもらうことで、彼らの若々しい情熱をタイムカプセルに閉じ込め、時間の侵食から守る役割を、ニュースレターは担っている。
ちょうど先日、第13号(2013年1月号)が発行された。過去の記事はホームページで閲覧できる。
第3が「メンタープログラム」だ。留学志望者と留学生/留学経験者を1対1でマッチングする取り組みである。これは、僕自身がMITへ出願する際に、先述した先輩が非常に親切にEメールなどでアドバイスをくれた経験から生まれたアイデアである。
アメリカの大学の入学選考システムは日本と大きく異なるため、勝手の違いに戸惑う人が多い。だから、直接アドバイスをくれる先輩を持つことは、学位留学の敷居をぐんと下げる。
また、今まではメンタープログラムの対象にはなっていなかった、翌年以降に出願を予定している学生が質問を投げられる会員制掲示板「質問ネットワーク」も設置した。ひとつの質問に対して複数の視点から回答を得られるという点においても、メンタープログラムと相補的な役割を担っている。
これらの活動を通して、学位留学についての情報と情熱が、先輩から後輩へバトンのように受け継がれていく仕組みを作ることが、米国大学院学生会の目的である。
留学説明会の開催、ニュースレターの発刊、メンタープログラムの開始などは、われわれのメーリングリストおよびFacebookで告知を行っている。
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