グルメで世界へ!O2Oベンチャーの挑戦 ソーシャルグルメサービス、Rettyのインパクト

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あまりリソースを割かなくてもグローバル展開ができる時代になった。Rettyは、店舗に営業に回るビジネスモデルではなく、ユーザー主体のウェブサービスなのでそれが可能。世界で類似サービスはあまりない。今が世界展開のチャンスと判断したのだろう。

現在、Rettyの会員は、前月比120%の伸び率で順調に伸びている。発信者の割合も25%と多いほうだろう。目標会員数は、1年後に100万人。最短で3年後のIPO(株式公開)を目指す、という。

最大の課題は何か。

「ユーザーの急拡大。スタートアップ企業というものは、“急成長する組織”だと考えている。リスクを取ってやっているし、資金調達をするのもそのため。急成長できるかがこれからの最大の課題」と武田氏。

12年7月のYahoo! JAPANとの提携もそのためだ。Rettyでは、基本的に広告は打たない。基本は口コミでユーザーを拡大していく方針。大手企業との提携や、SEO対策など、ユーザーを増やすための施策に当面は力を入れる。

武田氏には、立ち上げ時に支えになった言葉がある。ハーバード・ビジネススクールのアントレプレナーシップ(起業家精神)の考え方だ。「社会が求める問題を見て、やりたいと思ったことを本気でやっていれば、リソースは、後から必ずついてくる」。

「まだまだ目標には程遠いが、この言葉を胸に秘めて、取り組んできた。こういう世界を作りたい、道筋もリソースもないけれど、もしそれが正しくて、世の中にインパクトを与えることであれば、自然と人やおカネは集まってくる」(武田氏)。

Google、Facebook、Amazonなどの米国発のITサービスが、世界を席巻している。そんな中、RettyはO2Oのスタートアップ企業として世界へ進出する。日本が世界に誇る“食”の領域で勝負する。

Rettyの成功いかんで、後に続くO2Oのスタートアップ企業にも大きな影響を与えるだろう。志や理念をいかに忘れずに事業に取り組めるか。武田氏の肩にかかる責務は重い。

(写真:今井 康一)

 

 

 

 

 

 

 

過去の連載が本になりました。『O2O新・消費革命 ネットで客を店舗へ引きつける』(東洋経済新報社)として発売中。Kindle版などの電子書籍も展開開始。

 

松浦 由美子 ITアナリスト

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まつうら ゆみこ / Yumiko Matsuura

ITアナリスト。

ITエンジニアとして半導体ウェハ検査装置の開発や原子力・ETCなどのインフラ制御系システムの開発、大手印刷会社のIT技術センター部門でセキュリティ関連のサービスや画像情報データベース、地図情報サービスなどのWeb開発に携わる。現在は、「ITからリアル世界への翻訳者」として、テクニカルな話題を一般読者にわかりやすく解説することをモットーに活動中。

著書に『O2O 新・消費革命 ネットで客を店舗へ引きつける』(東洋経済新報社、 2012.10)、『O2O、ビッグデータでお客を呼び込め!- ネットとリアル店舗連携の最前線』(平凡社新書、2014.1)、東洋経済オンラインにて「O2O ビジネス最前線」を連載中。

テレビのニュース番組やラジオ、講演など「O2O」に関する出演多数。
連絡先:松浦由美子公式ページ

 

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