店の外に看板を出してランチメニューを載せても、通りを歩いている人の目にしか入らない。ネットの力を使えば、何万人にも発信できる可能性がある。
「特にRettyでは、自分のお店に興味を持っている人と効果的にコミュニケーションがとれる。効果が可視化できるようになるのも大きい。飲食店はいろいろな媒体に広告を出しても、実際に来てくれたかどうかわからない。スマートフォンの登場がここに変化を起こした」とネットの可能性を、武田氏は強調する。
Rettyでは、ユーザーが店舗に「行った」という情報だけでなく今後「行きたい」というデータも持っている。ユーザーはとりあえず「行きたい」リストに登録しておき、来店後に「行った」店舗として投稿する流れだ。
毎月、“行きたい”から“行った”に変わった人は、前月よりも110~120%ずつ増え続けている。“行きたい”の登録数が順調に増えているためだ。現在、約70万件の登録数がある。
潜在顧客が、実際に来店してくれたかを数値として見える化できる仕組みだ。
実名制であるため、来店客の顔がわかることも店舗側のメリットとして大きい。自分のお店に、「行きたい」と思っている人や、おすすめしてくれている人の名前と顔がわかる。実際に来店してくれたときに、「あ! この人だ!」となる。
「クーポンを送った人が来店してくれた場合は、“○○さん、こんにちは”という接客もできる。前回来店時に、何を食べたお客様なのかもわかる。接客の改善にもつながる」(武田氏)。
単なるクーポンを配布するだけのO2Oと違い、Rettyの場合は、ユーザーの「行きたい」という感情から始まっているため、店舗の人とのコミュニケーションも生まれやすく、再来店につながりやすい。消費者と店舗の長期的関係性を築く可能性を持ったサービスなのかもしれない。
誰かわからない人にすすめられても、信用できない。だが、信頼できる人にすすめられれば話は別で、行きたい気持ちも強くなる。店側にしても、実名制であるため、来店客の顔が分かる。そんな発想から、あるようでなかったO2OサービスをRettyは実現した。
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