社員が“ランチ自転車”を持つ
Rettyは、熱狂的なファンに支えられている。実名制であるため、個々人がよくわかる。たとえば、自分と同じお店に行った人、自分と同じような評価をしている人、自分と同じ地域でよく食べている人、同じお店に行きたい人、等々。自然とRettyのユーザー同士で実際に会うケースも多いという。
「Rettyでオフ会をすると、ものすごく仲良くなる。食べ歩きが大好きな人たちは、仕事を一切抜きにして、飲み歩く。ユーザー同士が一緒にグルメを目的に旅行に行くこともあるようだ。そんなレベルになっている」と武田氏は笑う。
ユーザーから、サービスの要望や感想を聞き、機能をブラッシュアップする。1日50~100件もの要望などが寄せられるという。武田氏は、2週間に1回、ユーザーと実際に会って話を聞く。ヘビーユーザーを招いてのイベントも2カ月に1度の頻度で開いている。2012年11月、ユーザーからの要望が非常に強かった「お店の検索機能」を追加した。
武田氏がサービスを考える上で最も大切にしていることは、「ユーザー目線」。
「ユーザーの声を聞くことももちろん大事だが、自分たち自身がいちばんのユーザーであるべき。当たり前のことのようだが、自分たちがサービスを使って、良質な体験をし、使いづらい点をどんどん改良する。これを繰り返す」(武田氏)。
Rettyは約1年間、六本木にオフィスを構えた後、銀座近くに移転した。理由は、六本木周辺の店のランチは行き尽くしたからだという。Rettyでは、社員全員がランチ用の自転車を持っている。
「おそらく1年以内にまた引っ越すだろう」(武田氏)。
「行きたい」登録数が70万件
Rettyは、ユーザーだけではなく、店舗側にも「O2O」の価値をもたらすことを目指す。13年4月くらいをメドに、店舗側が使う機能を用意する予定だ。
Rettyでは、店舗側は、自分のお店に過去に来てくれた人や行きたいと思っている人がすべてわかる。そこで「行きたい」人に特別クーポンを送れたり、「行った」人にお礼のメッセージが送れたりする機能を考えている。Retty経由で予約をすれば、店舗に課金する送客ビジネスもありうる。
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