前回、NTTグループが関西の巨大モールで行っているO2Oの実証実験をレポートした。
「スマートフォンを店頭でかざすだけで、各店舗のクーポンやスタンプを受け取ることができる」「巨大モールのどこに自分がいるか、アプリで正確に把握できる」「車の駐車位置もアプリで記録できて、迷わない」――。こうした新しい消費体験が今、NTTによって続々と実現されている。
今回はさらに1歩踏み込んで、NTTが仕掛けるゲーミフィケーション(ゲームの仕掛け)やソーシャルメディア活用、そしてO2OにかけるNTTグループの意気込みについて取り上げてみたい。
ゲーミフィケーションを活用
O2Oのような新しいサービスの最も重要な点は、一般の消費者にどのような価値を提供できるかだろう。最新のIT技術を駆使して作ったサービスも、使ってもらわなければ意味がない。
日本電信電話株式会社・新ビジネス推進室で次長を務める高屋洋一郎氏は次のように話す。
「どれくらい来店者に価値を感じてもらえるかに尽きる。まずは、使い勝手の部分。アプリがサクサク動いて操作がわかりやすいことや、自分好みの情報が手に入ること。あとは、運用部分の工夫も重要だ。アプリそのものの面白さや、来店者と店舗との新しいコミュニケーションのような部分だ」。
来店者の心をつかむため、リアルのイベントとネットを組み合わせるという取り組みも進んでいる。
たとえば、梅田の商店街「HEPファイブ」に、「買物応援戦隊HELPFIVE(ヘルプファイブ)」が突如現れるというイベント。来店者がレンジャーの写真を撮って、写真共有アプリ「ウメダ・スタイルクリップ」に投稿するとポイントがもらえる企画を実施した。
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