NTTが総力を上げる、O2Oの全貌

日本最大級の実証実験の衝撃(下)

「電波は人がいるだけでも影響を受けてしまうため、理論値どおりにはいかない。実際には、細かいチューニングがかなり必要になる。われわれは通信のキャリア事業をやっているので、チューニングにそのノウハウが生きている」(福島氏)という。

日本電信電話・新ビジネス推進室の高屋洋一郎次長

NFC(Near Field Communication、詳細は前回記事を参照)を使った際の課題も見えてきた。

たとえば、NFCタグ付きのスマートポスター。消費者がスマートフォンをかざすと、店舗の情報を取得できたり、車を止めた場所を記録できたりする。だが実は、スマートフォンのメーカーによってNFCタグが反応する場所が違う。

「駐車場のポスターにタッチしてくださいとお願いしても、スマートフォンの上のほうと下のほう、どちらをかざすのか。場所によって反応しないことがある。そういったことがわかってきた。

ならば、解決策として、ポスターのほうにNFCタグをたくさん入れておいてスマートフォンのどこをかざしてもいいようにしておこう、とか。細かい課題はたくさん浮かんできている」(福島氏)。

グループ内で、O2Oという言葉が飛び交う

NTTグループは今まで、固定電話網や光ファイバーのブロードバンド回線など、情報通信技術により、日本国内の社会基盤を担ってきた。その企業グループが、“O2O”を新しいビジネスチャンスととらえ、次世代の情報通信インフラを検証しようとしている点が興味深い。

そもそもNTTグループは、多くの企業がすでに実現しているO2Oサービスに重点を置かない。肝は“プラスアルファ”の部分だと、福島氏は次のように説明する。

「技術的には、まずは、“ビッグデータ”。ネット上のデータに加えて、鉄道・バスの乗降情報、店舗での購買情報などのリアルの情報を収集・活用し、レコメンド(個人に最適化された商品・サービスのおすすめ)に生かす。その効果を本格的に検証する。

さらに、“NFCやWi-Fi基盤を使った新しい顧客体験”がどれだけの価値を生むのかも合わせて確認する。“ソーシャルメディアの効果・影響”も把握したい」

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