NTT研究所は、今回のビッグデータ解析の基盤を提供する。グループ各社がおのおのの視点でO2Oプロジェクトに取り組む。それを持ち株会社の新ビジネス推進室がコーディネートしている格好だ。
今後はどうビジネスとして展開していくのか。高屋氏は話す。
「実証実験は13年5月にいったん終了する。十分に価値のあるものだと認められれば、たとえば西宮ガーデンズのビルマネジメント部門から月々おカネをいただく形で、今のアプリケーションや情報通信基盤を引き続き使っていただけるような環境になればうれしい。
各店舗からのプロモーション費用も一部をいただいて、サービスを提供できればいい。同じ事例が関西以外の全国エリアに広がっていけば、と思う。そういったビジネスモデルが今後描けるかどうか」
単純なO2Oはやらない
O2Oは、NTTグループにとってどれだけの価値を生むのか。O2Oの市場可能性や、O2Oが拡大するスケジュールは、まだ見えていないという。
それでも、NTTはグループ挙げてO2Oの市場に進攻してきた。金額は明らかにしていないが、数億円はかかっているだろう。
「O2Oの可能性は、非常に感じている。なければこんなことはやらない。SMART STACIA(スマートスタシア、詳細は前回記事を参照)のベースの会員は、20万人規模にしていきたい。単純なO2Oは、商用でも世の中にすでにある。
NTTグループは、プラスアルファの価値作りに取り組む。阪急阪神プロジェクトのリアルのデータを生かして、ビッグデータの分析、Wi-FiとNFCを使った基盤がどれだけ価値を生むか、評価指標を作って評価していく。きちんと成果を出していきたい」と高屋氏は力を込める。
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