「日本が世界に誇れる領域で、世界で勝負したかった。それもネットを生かせる領域。“食”こそそれだと考えた。海外に行くと日本の飲食店のサービスレベルの高さにあらためて気づかされる。
日本で優れている領域は、課題の解決レベルも進んでいるので、海外展開するときに有利。日本の飲食店領域でのサービスは、おそらく世界でもトップレベル。ここで一番になる」。武田氏の目標が定まった。
サービスの名前は非常に重要だ。武田氏は約1000個候補を出し、とことん悩み続けた。世界展開を考えていたので、日本語は一切入れない。最終的に、レストランの“Re”、レビューの“Re”、レコメンドの“Re”。そして、ユーザーのいい体験、幸せ(ハッピー)な体験を共有するサービスにしたかったので、“Happy”のニュアンスを入れたくて、“y”を入れたという。
Rettyの社名にこそ、武田氏の「志」「理念」が詰まっている。
プログラミングの猛勉強
帰国後、Rettyを創業して武田氏がいちばん最初にしたことは、書籍を見ながらのプログラミング言語の猛勉強だった。傍らにエンジニアは誰もいなかった。
「この世界は、スピードが重要。自分たちがシステムの中身を理解できていないと意思決定ができない。自分で勉強して作りながら同時進行で人を探していった。これは遠回りではないと考えた」(武田氏)。
武田氏はエンジニアのいるセミナーに参加したり、Twitterで声を掛けまくった。メンバーを1人ずつ増やして5人がそろった。現在でもメンバーは、社員は6名、インターン生などアルバイトが6名ほどだ。これだけの陣容で会員10万人超を集めた。
創業時は、資本金400万円からのスタート。半年後にサービスをリリース、その2カ月後にサイバーエージェントベンチャーズと個人投資家から2200万円を調達した。その1年2カ月後にGREEベンチャーズ、NTTインベストメント・パートナーズ、三菱UFJキャピタルからさらに1億円を調達した。
グルメで世界進出
12年10月、Rettyは世界展開の計画を発表した。米国とシンガポールでPCサイトの英語版を公開した。英語版スマートフォンアプリは、13年2月をメドに公開予定だ。アジアを中心に展開していくが、将来的にヨーロッパ展開も視野にあるという。
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