
ジャーナリズムはどこに行くのか

木本:最近のジャーナリズムはどうなんでしょう? まずテレビに関してはいかがですか。
田原:非常に悪しき流れになっていて、無難な番組作りが増えていますね。
僕はジャーナリズムとは波風を立てることだと思っていて、いまはその逆。特に最近はコンプライアンスのことばかり気にしている。本来は「遵法精神」の意味で「法律からはずれない」という言葉だけれど、テレビ界においては、つまりそれはクレームのない番組を作れという意味にすり替わってしまっている。昔はクレーム電話がきても、プロデューサーやディレクターが「すみません、もう二度とこういうことは致しません」と謝ればそれですんだ。でもいまはクレームはネットで広がってしまい、スポンサーにまでその声が届いてしまう。だから「クレームのない番組を作りましょう」となって、結果として無難な番組だらけになる。
木本:テレビ番組はスポンサーありきですからね。さらにはニュース番組でも数字の取らないといけない風潮になっていますよね。
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