前田敦子のお姫様だっこの舞台裏
木本:スクープ連発の秘密を伺ってきましたが、今度は、記事にするときの線引きの基準や、どんな考え方で、記事を書いているのかを教えてください。
新谷:まず、大きくて強い相手をターゲットにすることが大前提です。相手がタブーであって、他のメディアがなかなか報じられないような存在であれば、一歩も引かずに闘うことは大事ですが、ふとしたことで弱いものいじめになってしまうのはよくないと思っています。
デスクとよく話すのは、「この記事はニワトリのクビをナタではねるようなことになっていないか?」ということ。たとえば、デビューしたばかり、売り出し中のアイドルをそこまでやることはないのでは、と言って記事を止めることもあります。現場が頑張って引っ張ったネタなので、どうしてもやりたいという時も、それならば書き方を考えようと伝えます。以前に前田敦子さんの『深夜のお姫様だっこ』という記事を掲載しました。
木本:はいはい。佐藤健クンに抱きかかえられたという。
新谷:彼女がとんでもないひどいことをしたというよりも、年頃の女の子が恋愛禁止と決められていても、人を好きになったり、ハメを外してお酒飲み過ぎたり、号泣するような夜もあるじゃないか。その方が人間らしくていいじゃないか、という意識で書いていますし、記事を出す動機もそういうものでした。
木本:なるほど。恋愛スキャンダルとして報じたわけではない。
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