高市内閣"ハネムーン中"に総選挙はありえるのか? 自民党を悩ます「若者支持率9割」の熱狂と「根強い不信」の深い溝

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高市首相
若者を中心に高い支持率を誇る高市首相。その勢いに乗って総選書に打って出るのか(写真:時事)

驚異的な人気ぶりといえる。

JNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)が11月1〜2日に行った世論調査では、発足直後の高市早苗内閣の支持率は82.0%と、2000年以降に発足した内閣で2番目に高かった。1番高かったのは2001年に発足した小泉純一郎内閣で、88.0%を記録している。3番目は09年の政権交代選挙で誕生した鳩山由紀夫内閣の80.1%で、その1年前に51.1%で発足した麻生太郎内閣を29ポイントも上回った。

高市内閣も、1年前に発足した石破茂内閣の51.6%と比べると30.4ポイント上回っている。しかも18〜29歳の若年層の支持率は88%で、不支持率は7%にすぎない。同年齢層の女性に限れば支持率は90.9%で、不支持率はなんとゼロ。60代以上の年齢層の支持率が最も低かったが、それでも76%で、高市内閣は全世代で高支持率をたたき出していることがわかる。

こうした人気ぶりは「サナ活」といった言葉を生み出した。高市首相の愛用品が注目され、会見で使用したボールペンが飛ぶように売れ、官邸に入る際に下げていたバッグは来年6月まで予約が埋まっている。いずれも良質の国産品で、一般国民も手が届かない価格ではないところが、高市首相の人気をさらに押し上げたようだ。

早期解散説に「待った」をかける不都合なデータ

そんな「サナエブーム」に乗じるかのように、自民党の一部で「衆院の早期解散説」がささやかれている。内閣支持率が高いうちに総選挙を行い、議席を増やそうという魂胆だ。

公明党の連立離脱がネックになると思われたが、その影響はさほど大きくなさそう。「公明党が離れてくれたことがかえってよかった」という声もある。「離れていた岩盤支持層が戻ってくるから、差し引きで自民党の票は増えるだろう」との思惑だ。

しかし、現実はそう甘くない。自民党の政党支持率が伸びていないのだ。

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