高市内閣"ハネムーン中"に総選挙はありえるのか? 自民党を悩ます「若者支持率9割」の熱狂と「根強い不信」の深い溝
和田氏には、安倍昭恵夫人の応援も加わった。昭恵夫人は渡航先の台湾から和田氏にビデオメッセージを寄せ、「主人もどこかで和田先生に当選していただきたいと思っていると思う」と述べている。
一方で、自民党県議団の主流派が応援した村井知事には、松下政経塾の先輩でもある高市首相からビデオメッセージが寄せられた。要するにこの戦いは、「高市首相 vs. 昭恵夫人の戦い」という様相も呈したわけだ。
「ここで負けるわけにはいかない」と自民党側は発奮した。高市首相にとって宮城県知事選は“首相就任後で初の大きな選挙”という重要な位置づけになるからだ。
結果は上述したように村井知事が辛勝したが、県の人口の半分を占める仙台市では全5区で和田氏の得票が村井知事の得票を上回り、計3万票以上の差をつけた。天候がよくなかったせいか投票率は46.5%と低く、前回を9.79ポイントも下回ったことが、村井知事に幸いしたのかもしれない。
なお、村井知事の投票数は、前回の68万3111票から半減している。「石破政権時だったら、村井知事は負けていたかもしれない」との声も聞かれた。
「自民党への根強い不信」と「高市改革効果」の綱引き
同時に認識されたのは、参政党の根強さだった。「参政党は関西や北陸などで強いイメージがあるが、東北でこれほどのパワーがあるとは」と宮城県関係者は驚愕した。
冒頭で引用したJNNの世論調査では、参政党の政党支持率は4.7%で、前回より1.1ポイント減少した。毎日新聞の調査では同3ポイント減の5%で、日経新聞の調査でも同4ポイント減の6%と、高市政権の誕生を挟んで参政党の政党支持率は減少している。
にもかかわらず、宮城県知事選で参政党が支持した和田氏が躍進したのは、自民党への強い不信が今も消えていないことの証左だろう。公明党が連立を離脱した効果はいまだ不明で、自民党側には「小選挙区での支持が得づらくなった」との声がある一方、「比例区での協力を強いられる煩わしさがなくなった」という声もある。
少数与党となった自民党を率いる高市首相の下で、ガソリン暫定税率を12月31日に廃止することが決定された。軽油の暫定税率についても、来年4月1日に廃止される予定だ。着々と「改革」を推し進める高市政権に対して、野党に残された主張するべき目玉政策は少なくなっている。
「ハネムーンの間に」と解散を期待する声も少なくない。今こそ衆議院を解散し、自民党の大きな躍進を期待すべきときなのか。「決断と前進」を内閣の目標に掲げる高市首相は、どこで決断を下すのか。
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