TBSドラマの「問題演出」は、なぜ起きたのか

裏には「下請構造」と「甘いチェック機能」

TBSのドラマ『SP八剱貴志』に出演した国会議員役の俳優は、この「ブルーリボンバッジ」を胸元に付けていた(写真:AP/アフロ)

TBSのドラマ『SP八剱貴志』であった問題演出はテレビ業界に長くいた筆者の目から見ても「ずさん」としか言いようがないものだった。こんな場面を放送してクレームが来るかもしれないとスタッフらが少しでも思わなかったとしたら、TBSのコンプライアンスは危機的な状態だと言わざるをえない。近いうちに必ずもっと重大な問題を引き起こすだろう。それぐらい制作現場の危機感のなさ、世間知らずぶりが表れた出来事だった。

この話を最初に聞いた時の私の第一声は「ばっかじゃないの!」だった(日テレのドラマ『ドS刑事(デカ)』で、多部未華子演じるドエスの刑事が犯人や同僚の行動のバカバカしさに呆れる時のセリフ)。

本当にあきれてしまった。ここまで世間を知らない人たちがドラマを作っていたとは。それが何のチェックもされないまま、キー局から全国放送されてしまったとは・・・。

都知事vs.前都知事

このドラマは8月31日の21時から22時54分までの『月曜ゴールデン』という単発ドラマ枠で放送された。舘ひろしが主人公のSP役で、萬田久子が演じる女性都知事を警護するという役割だ。この女性知事が前知事時代に決まった新庁舎建設計画を白紙撤回し、その分の予算を女性が働きやすい環境づくりに投入すると公言したことから、建設業界や建設計画を推進してきた政治家の不興を買い、しまいには脅されて命を狙われてしまうという設定だ。

その黒幕の前都知事で現在は「民慈党」衆議院議員を寺田農が演じている。完全な悪役で最後は逮捕されるが数回登場するシーンで、背広の胸につけた議員バッジの下に青い縦長のバッジをつけていた。

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