テレビは、しつこく「政権批判」をやるべきだ

ジャーナリズムは波風を立てるべし

田原:もちろん、視聴率は大事です。以前、報道番組の同志でもある故・筑紫哲也さんと語り合いました。「いくらいい番組作っても視聴率が取れなければダメだ」とね。生存視聴率といいますが、番組が打ち切りにならない最低の数字が7%だと。「でも10%を取ろうとすると、視聴者にゴマをするような別の番組になってしまう。7~10%で勝負しよう」とよく話していました。

僕は番組にクレームが来たら、「だから面白いんだ」といいます。「クレームがいっぱいくる番組を作ることに意義があるんだ」とね。幸いなことに僕も年を取ったので、ひとりくらい勝手にやんちゃなことをするのがいてもいいらしくて、好き勝手にできているところはある。

テレビは権力批判をもっとやるべきだ

田原 総一朗(たはら そういちろう)/1934年滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画、東京12チャンネル(現テレビ東京)勤務を経て、フリーのジャーナリストに。『朝まで生テレビ』『サンデープロジェクト』(ともにテレビ朝日系)でテレビジャーナリズムに風穴を開ける。番組に出演した総理大臣を3人失脚させた伝説を持つ。著書に『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)、最新刊に『変貌する自民党の正体』(ベスト新書)『トットちゃんとソウくんの戦争』(講談社)などがある

木本:そういう意識でやられているんですね。でも次を担う30代のジャーナリストが、それを目指すのは難しい時代になっていますよね。僕自身の経験からいっても、テレビのコメンテーターとして出演する時にも「違うことをいう」のは好まれない時代。差し障りのないことをいわないと嫌われます。

田原:そう。無難なコメントばかりになる。でもね、やっぱり波風立てないと面白くないのよ。東洋経済オンラインだって、波風を立てているから読んでくれるわけ。僕は、日経ビジネスオンラインも、講談社の現代ビジネスでも仕事しているけれど、東洋経済オンラインがいま日本で一番ページビューが多いんでしょ。

木元:雑誌系の中では一番と聞いています。テレビが難しい時代だから、ウェブなどのデジタルで波風を立てていくのは大事ですよね。

田原:このあいだ、『月刊Hanada』という雑誌主催で、「放送法遵守を求める視聴者の会」という団体の事務局長をやっている小川營太郎さんと公開討論をしました。この会は去年の11月に産経新聞と読売新聞の朝刊に、安保法制におけるNHKや民放キー局が制作している報道番組での賛成反対両論放送時間を集計し円グラフで比較して、『NEWS23』、『報道ステーション』、『NEWS ZERO』で90%以上の時間が反対意見に割かれていて、メディアが反対派に偏った報道をしている、と主張し、放送事業者に対し放送法第4条の遵守を求める意見広告を出しました。

だけど安倍内閣は、参議院、衆議院選挙も3連勝(今回の参院選で4連勝)している。それは結果的に安倍批判が応援歌になっているんじゃないかというのが僕の見解。結局はケンカになったけど。やっぱりテレビはもっと政権批判するべき。

木本:テレビはもっと批判すべきなんですね。安倍政権は今となってはテレビで批判されることを恐れていないんでしょうか?

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