「テレビがネット記事にカネを払う」噂の真実 番宣のために「ステマ」をやっているのか?

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「ステマ」や「番宣」はどのくらいあるのだろうか(写真:今井 康一、尾形 文繁)

「この番組はココがスゴイ!」「このドラマは名作だ」。あるいは「視聴率は低いが、内容はこんなに面白い」「作品には厳しい声もあるが、俳優の演技は素晴らしい」――。

このような番組やタレントをほめるネット記事がアップされると、コメント欄やSNSのリンクに「ステマ」「番宣乙!」「事務所の圧力」などの批判が書き込まれることが定番化しています。

さらには、書き手に「あんた、いくらもらって書いてるの?」と直接問いかけるなどのコメントから、読み手が疑心暗鬼になっている様子がうかがえます。はたして、書き手はテレビ局や芸能事務所からおカネをもらって書いているのでしょうか? 圧力を受けて内容を変えることはあるのでしょうか。

実際に10以上のネット媒体にコラムやコメント提供している立場から、テレビ局、芸能事務所、ネット媒体、それぞれの本音を交えて、真相を明かしていきます。

テレビ局から広告記事の依頼はある?

テレビ番組に関する記事には、ネット媒体が「テレビ局の広報や番組スタッフの許可・協力を得て書くもの」と、「許可・協力を得ず、執筆者が自由に書くもの」の2種類があります。

前者はプレスリリースや、キャストやスタッフへのインタビューなどの現場取材をベースにしたもので写真が多く、後者は執筆者の視点から書かれたものがベースで、写真は主要キャストのイメージ写真か公式ホームページのスクリーンショット程度。しかし、どちらもテレビ局からお金をもらって作られた広告記事はほとんどありません。

テレビ局から広告記事の依頼が「ある、なし」で言えば「ある」のが真実。ただその数は極めて少なく、みなさんが目にする確率はかなり低いと言えます。少なくとも現段階では、宣伝の場が少ないCSや有料配信サービスの番組が大半と言っていいでしょう。

そもそもテレビ局は、ネット媒体の広告記事による費用対効果をそれほど評価していません。まだまだネット媒体はどこも収支が厳しく、アクセスの指標になるページビュー(PV)の獲得にもつながりやすいテレビ番組の広告記事は「何本でもほしい」のが本音。しかし、「取材はさせてもらえるけど、記事を作ってもおカネはもらえない」というのが現実なのです。

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