木本:お笑い芸人もそういう仕事をするべきなんですよね。いま誰もしませんが。
田原:だから木本さんがやってください。お笑いだったら大丈夫。
木本:でもなんかできませんよね、タレントって。お笑い芸人として、カッコいいかカッコ悪いかというとらえ方をするんですよね。芸人たちの中には、難しいこと考えずにお笑いに徹していることがカッコいいという風潮があるのは確かです。
「笑点」はもっと過激になるべき
田原:いまは落語がブームです。前座、二つ目、真打ちと出世していくシステムもあり、古典落語もあったりと、芸として確立されている。その芸が「体制批判」に向いているのかもしれません。いま『笑点』はとても視聴率がいいですし、本当なら『笑点』も危ないことをガンガンやればいい。
木本:『笑点』のようなお笑いだからこそ、いいたいことをいうべきだと。それで何かが変わるかもしれませんしね。
ちなみに、アメリカのジャーナリズムも弱体化しているんでしょうか?
田原:アメリカはまだ頑張っている。ただアメリカでもまだまだクレームに対してどう対応するかができていない。電話とネット時代とはやっぱり違います。
木本:「ネットのせい」で変わったのは世界中で一緒ですものね。
田原:僕は東京12チャンネル(現テレビ東京)でディレクターをしていましたが、当時は「テレビ番外地」と呼ばれた3流の局でした。自分の好きな番組をやりたいと考えても、編成に力がないからアピールしても仕方なかった。だから僕がスポンサーに直接行って口説いて番組を作っていた。「スポンサーはいます」と上層部を説得すれば、番組はできますから。
僕はテレビ番組は「スポンサーを自分で捕まえる」、「視聴率を上げる」、「話題になる」、この3つがあれば大丈夫だと言い続けてきました。いまもそう思っています。口幅ったいけど、僕以外にそこまでやっている人はなかなかいない。
木本:アイツがやる番組なら応援しようという存在にならないといけないんですね。結局、しゃべる人間の魅力ひとつにかかってくる。「危ないこと」をいうから、木本は面白い、となっていく方向もあるんですね。
田原:木本さんがそういう存在になればいい。頑張ってください。
木本:すっごいバトンを受けたような気がしますが、頑張ります。
(構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)
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