田原:普通ならばマスコミに対して危機感を持つはずですよ。でも、そうはなっていない。そうなるはずなんですがね。いかにマスコミの批判がだらしないかですね。
木本:はあ。批判が足りないと。東洋経済オンラインの話がありましたが、デジタルジャーナリズムに対してはどういうご意見をお持ちでしょうか。
田原:たとえば安倍政権の閣僚の80%は「日本会議」という団体に入っています。国会議員では281人が加入。正面切って「日本会議」について書いたマスコミはないんじゃないかな。
日本会議は3万8000人の会員がいる。憲法改正は当然のことながら、東京裁判を否定すべきとも言っている。あの昭和の戦争は正しかったので、靖国神社に行くべきで、いまの憲法はアメリカが作ったのだから明治憲法を復活させるべきだともいっている。そういう団体に安倍内閣の8割の閣僚が入っているけれど、なぜかマスコミは正面切って取り上げない。
木本:それは僕も初めて聞きました。自民党の議員の先生たちもその主張に賛成しているということですよね。
田原:僕に何人かの国会議員に「なぜ日本会議に入っているのか?」と聞いたことある。「単なる付き合いですよ」、と彼らはいうが、それにしては気持ち悪い。
お笑いこそ体制批判に向いている
木本:ジャーナリズムが発表する場や本音を言う場は、ウェブにはあるように思うんです。でもそうなると僕らはテレビで何を語ればいいんでしょう。
田原:そのまま本音を語ればいい。
木本:語りたいですよね。でも、そういう時代ではないじゃないですか。
田原:僕はバラエティはそういうことを語れる場だと思いますよ。お笑いのフリして怖いことをいえばいい。昔は立川談志さんなんかがそうしていたよね。
木本:談志師匠はバカなフリしてやっていたと。
田原:佐藤栄作首相当時でも、談志さんはよくそういう批判を皆にわかるようにやっていた。
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