リアル『ちはやふる』の世界を覗いてみた! 会社員が大活躍、「競技かるた」の醍醐味

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競技かるたでは聴力がもっとも大事と言われている。だから一流と言われる人ほど、非常に耳を大事にしている。西郷さん、渡辺さんもそうだが、日頃からイヤホンを使用しない人が多い。耳に水が入るからと水泳をしない人、さらに競技で使う右手を労わるためボーリングを控える人までいるというから、その徹底ぶりは脱帽だ。

札を飛ばしたときの、爽快感

「100枚も覚えるの?」と、ビギナーにはよく聞かれると伊藤さんは言う。そのときは、「たった100枚しか覚えないんですよ」と答えるそうだ。「5歳の幼稚園児もお年寄りも参戦している。誰でも努力すれば、A級選手になれる」と伊藤さん。

足腰のバネを使うので、大腿四頭筋やハムストリングスが鍛えられるようだ。“走り込み”をする選手もいる。姿勢が乱れないように背筋も大事。一流の選手ほど非常に姿勢が良いという。

毎年、神奈川トヨタ自動車本社では「全国百人一首かるた競技横浜大会」(主催・全日本かるた協会、主管・横浜隼会)が開催される。今年は、およそ500 人が参加。本社会議室のパーテーションが取り払われ、およそ300畳の畳が敷き詰められた

「1つでも2つでも覚えて取れる札があれば、早く取る面白さがわかってくる。競技かるたの奥深さを体感していただきたい」(西郷さん)

「かるたは超集中するので、よけいなことを考えず、仕事やプライベートの切り替えも自然と早くなる。まずはかるたの札を払い飛ばして、そのスカッとする爽快感を味わってほしい」(渡辺さん)

現在、入段者登録数はおよそ3000人。協会としては数万人から数十万人の競技人口があるだろうと想定している。従来は500 ~600人の大会が多かったが、近頃は1000人を超える大会も増えている。

全国に点在する、かるた会の門戸をたたく人も増えているようだ。軽快に札を払い飛ばしてみれば、新たな自分に出合えるかもしれない。

 

社団法人 全日本かるた協会

「東京発・伝統WA感動:TOKYO TRADITIONAL ARTS PROGRAM」
 

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