今、企業からラブコールが相次ぐ、一風変わったスポーツがある。昔ながらの“鬼ごっこ”を競技化した「スポーツ鬼ごっこ」だ。
その定義を普及させるため、一般社団法人鬼ごっこ協会が設立されたのが2010年6月。以降約2年半の間に、「スポーツ鬼ごっこ」人口はおよそ5万人にまで急増。26都道府県、約100市町村で鬼ごっこが実施され、同協会は昨年だけでおよそ90の鬼ごっこイベントを手掛けたという。
特別な道具や技術を必要とせず、スペースさえあれば、すぐに誰でも参加できる。それにしてもなぜ、各地で鬼ごっこがブームなのか?
3000人が集まった”鬼ごっこ”大会
「よし、取った!」「やられた……」
箱の上に置かれた“宝”を奪い、満面の笑みを浮かべる女性と、その様子を悔しそうに見つめる相手チームの男性。相手チームの“宝”を奪うと得点が入る(“宝”は両手か片手でつかめる大きさの円柱状のもの。ペットボトルなどでも構わない)。男性は女性の後ろを慌てて追いかけたが、いま一歩、間に合わなかった。

城南信用金庫大井支店も参加した「第1回スポーツ鬼ごっこ全国大会」(NPO法人まちづくり大井、一般社団法人鬼ごっこ協会共催)の様子
昨年11月、「第1回スポーツ鬼ごっこ全国大会」が東京都品川区で開催され、関東近県から38チーム、およそ430人が参加。観戦者を含めて3000人が集まった。
「大の大人が鬼ごっこ?」と最初は思うかもしれない。だが意外かもしれないが、仲間が懸命に走り回っている姿を見ていると、いつしか手に汗を握り、大声で声援を送るようになる人も多いのだ。
この大会には、地元からは城南信用金庫大井支店も参加していた。実は同支店では、昨年の夏から3回も「スポーツ鬼ごっこ」を行っている。
「『なぜ鬼ごっこ?』と、当初は私たちもピンときませんでした。ただ参加してみて、その楽しさやメリットを体感し、しだいにハマっていったというのが正直なところです」(同支店営業課課長・小川剛氏)
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