現在は、ある企業のオリジナルプログラムを作成中とのこと。「夕張市の大型施設を舞台に、知力、体力、チーム力を活用して、およそ300人の社員が鬼から逃げ回りながら与えられたミッションをクリアしていく壮大なプログラムを企画しています」(同社営業推進本部・福田敦氏)。
まるで逃走&脱出系ゲームのキャラクターのごとく、逃げ回りながら頭や体を使っているうちに、チームを組んだ社員らは自然とアイデアを出し合い、団結することになる。
遊びの要素を織り交ぜながら組織のチーム力を育む職場旅行は今後、注目されるかもしれない。
こうした団体戦の「スポーツ鬼ごっこ」のほか、同協会による鬼ごっこには少人数で行うものもある。
“鬼ごっこ”の起源とされる「ことろことろ」では、数人で芋虫状態に連なり、先頭に「親」、いちばん後ろに「子」がつく。対向する「鬼」役がいちばん後ろの「子」にタッチしようと挑み、会場は笑いと熱狂する声に包まれる。
10秒程度の対戦だが、研修での活用では事前の戦略作り、計画の実践、反省点の振り返り、それを活かす方法まで学んでいくというから本格的だ。
子どもの肥満解消にも
そもそも同協会は30年間、子供向けのスポーツ、レクリエーションを研究してきた城西国際大学の羽崎泰男教授が設立した。1980年代から羽崎教授が旧厚生労働省と共に、子供の肥満改善プログラムを研究していたところ、行き着いたのが「鬼ごっこ」だった。
一般的なスポーツだと、運動嫌いの子供は二の足を踏むことも多い。だが、鬼ごっこだけはどんなタイプの子も楽しそうに参加したという。年間を通して鬼ごっこのプログラムを実践したところ、実際に子供の肥満が解消され、鬼ごっこでよく動き回る子供は、より長い時間、目を閉じたまま片脚立ちができるという結果も得られた。
「子供の肥満解消、体力作りに役立つのですから、鬼ごっこは、大人にもよりよい効果があると思います」(同協会・平峯佑志氏)。
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