小川氏によれば、昨年の夏、地元のお祭りで開かれた「スポーツ鬼ごっこ」に社員20人で参加したのがきっかけだった。「これはスポーツの得意不得意、役職や年齢男女関係なく、コミュニケーションを育むツールのひとつになる」と実感したという。
「始まれば、上司も部下も、気にしていられません(笑)。ひとつの目標に向かって皆で取り組むことができるので、飲み会とはまた違った社員の交流の場になります。また、対戦を通して、老若男女問わず、地域の方々とも顔なじみになれる点もうれしいですね」(小川氏)。
その後、秋の厚生旅行でも支店の社員全員でスポーツ鬼ごっこを行い、さらに「第1回スポーツ鬼ごっこ全国大会」にも参加した。支店内には「もっとやりたい」という意見も出ているため、これからも環境が整えば、社員みんなで定期的に参加したいと考えている。
ルールは簡単だが、戦術が磨かれる
同協会が推進する「スポーツ鬼ごっこ」は、子供の頃に遊んだ「缶蹴り」や「陣取り鬼ごっこ」をイメージするとわかりやすい。
7人制の2チームに分かれ、自分たちの“宝”を守りながら、相手にタッチされないようにして相手陣地の宝を奪い合う。
ルールは簡単だが、その分、奥が深い。将棋の駒のように「攻め役」「守り役」を決めておき、相手への「だまし」も含めて戦術も考えていく必要がある。同じチーム同士、声をかけ合わないと宝は取られてしまうので、仲間同士のコミュニケーションも重要だ。
最近は「スポーツ鬼ごっこ」や「鬼ごっこ」を同協会と提携し、社内研修やサービス、PR活動に採用したりアレンジして活用する企業が続々と増えている。
たとえば、ネスレ日本はオリジナル鬼ごっこを開発し、UR都市機構は販売促進イベントを実施。
UTホールディングスは婚活イベントとして活用し、VOYAGE GROUP(旧ECナビ)は内定者研修会で鬼ごっこを行った。イーウェルではスポーツ鬼ごっこを、自社の福利厚生パッケージサービスのひとつにしている。
職場旅行の企画としても、利用価値大
企業とのコラボ企画はユニークなものが多い。法人向けに職場旅行などを取り扱うJTBコーポレートセールスも、協会と組んで“スポーツ鬼ごっこ”を応用したプログラムを開発している。
近頃は職場旅行も物見遊山の観光だけでは飽き足らず、皆で楽しみながらチーム力や発想力などを養えるプランが求められているという。こうした需要を受け、同社ではオーダーに応じて顧客の課題解決につながるコンテンツを採り入れた旅行を企画している。
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