職場の世代間ギャップ。会社勤めの友人たちと話をしていてもよく話題になりますが、皆さんずいぶん悩まされているようですね。
団塊の世代と団塊ジュニア世代。バブルの熱狂を知る世代と、生まれてこのかた下り坂しか知らない世代。30代の私と同世代のビジネスマンの人たちからは、上司である40〜50代のバブル世代には「あいつら仕事ができない」とか、60前後の団塊直後の世代には「あいつら退職金をがっぽりもらって逃げ切ろうとしている」とか、部下である20代に対しては「あいつら礼儀がなってない」などと、いろんな声が聞こえてきます。当然、私たち30代も他の世代からいろいろ言われているに違いありません。
実は仏教業界のほうが世代間ギャップは激しい
お坊さんの世界も同じように、世代間のギャップはあります。ただし、一般社会と違うのは、時間軸がやたらと長いこと。「生涯現役」という言葉がこれほど似合う業界も、なかなかほかにないでしょう。
企業の世界で50代といえば、キャリア人生のゴールも見えてくる頃でしょうが、お坊さんの世界の50代は、まだ「若手」と呼ばれることもあります。40代、30代は推して知るべし、20代など「小僧」扱いです。一般的な企業では60歳で定年を迎えますが、お坊さんの場合は定年がありません。
宗派などの重要なポストの多くは、70代、80代のお坊さんで席が埋まります。時には90代や、100歳を越えた老僧が、宗門のトップに立つこともあります。ある意味、お坊さんの世界でキャリア的に成功するために最も重要な能力は、「健康長寿」であると言ってもいいでしょう。
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