理由(3):イノベーションの源泉がそこにあるから
そして、企業がNPOと協働すべき最後の理由は、NPOとの協働こそが、いま日本企業がイノベーションを起こすために最も効果的な方法だからである。
なぜか。それは、NPOとの協働は「既成概念の枠を超えること」だからだ。
すべての企業がそうとは言わないが、多くの日本の大企業は、組織の肥大化に伴い、さまざまなルールによって縛られるようになってきているように見える。若手が何か新しいアイデアを出したとしても、「前例がない」とか「時期尚早だ」という理由で、せっかくのアイデアや情熱の火種は消されてしまう。自分のアイデアを試す場や機会さえ、与えられることがないのである。
その結果、多くの企業は、国内の競合を見ながら、競合より少しでも高品質の製品を開発するという、既存ビジネスの延長線上での消耗戦を強いられてしまう。こうした考え方では日本社会の未来が明るくないのは明らかだ。
そんな中、NPOというまったく異なる目的関数で動く組織とかかわることは、企業が、組織や前例の壁や既成概念の枠を取り払う絶好の機会になりうる。NPOの多くは、既存の社会システムの延長線上では解決できない困難な社会課題に、非常に限られたリソースで立ち向かっている。この何もない状況でのチャレンジこそが、既成概念の枠を超えたすばらしいアイデアを生み出すための最適な環境となるのだ。
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