なぜマッキンゼーを辞め、NPOを作ったのか

僕が「留職」をスタートするまで

日本の新しいロールモデルとなる「新世代リーダー」。その1人が、「新世代リーダー 50人」でも取り上げた、小沼大地さんです。小沼さんは、マッキンゼーを経て、NPO法人クロスフィールズを創設。アジア新興国のNPOへ日本の大企業の社員を送り込む、「留職」プログラムを手掛けています。この連載コラムでは、新世代リーダーの小沼さんに、「留職」とニッポンについて熱く語ってもらいます。

「3年で辞めるつもりです。修行させてください」

僕はマッキンゼー・アンド・カンパニーの採用面接でそう言い放った。25歳のときだ。今思えばずいぶんと生意気なことを言ったものだけど、ありがたいことにこの会社は、青年海外協力隊で2年間中東シリアに赴任したという、かなり変わった経歴の僕を採用してくれた。

それから3年後の2011年3月、僕は宣言どおりに会社を辞めた。実は昇進した直後だったということもあって、「なぜこのタイミングで……」「もったいない!」という周囲の声も強かった。でも、僕にはどうしても成しえたいと心に決めたことがあった。その成しえたいことこそ、まさにいまクロスフィールズという団体で取り組んでいることなのだが、ではなぜ、僕がそのような強い決意をするに至ったのか。

連載初回の今回は、そのきっかけとなった僕の2つの「原体験」から話を始めさせてもらいたい。

「既存のレール」から外れるために青年海外協力隊へ

僕は学生時代、大して勉強もせずに部活(ラクロス)に明け暮れていた。でも、就職活動が始まる時期になって、ふと悩んでしまった。周りの仲間がこぞって大企業を志望する中で、「決まり切ったレールを進むのはつまらないな」と思ってしまったからだ。

もともとあまのじゃくなところのある僕は、このときも「とにかく就職」という気にはなれず、むしろ「世の中でいま当たり前だと考えられている道」とはまったくかけ離れた経験をしたいと考えていた。すると、ふと目にした電車の吊り革広告に、小学校の教科書で見たことのある「青年海外協力隊」の文字が。直感的に「面白い人間になれそう」だと思い、参加を決意したのだった。

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