ピーシーデポは朝日新聞を売る 逆風下で成長するパソコン専門店のユニーク経営

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昨年秋、アマゾンが電子書籍端末「キンドル」やタブレット端末「キンドル・ファイヤHD」を発売した際、多くの家電量販店は取り扱いをしなかった。「インターネットでパソコンや家電を売っているアマゾンは敵だ。敵に塩を送るようなことをするわけがない」(大手家電量販店トップ)。

が、野島社長の考えは、正反対。「アマゾンはお店がないため、お客さんに使い方を説明することができない。不具合が起こったときのサポートもできない。その部分を補完できるのがピーシーデポ。物販で稼ぐだけの家電量販店とはまったく違う。その強みをアマゾンにも理解してもらっている」。

「店はショールームになっていく」

野島社長が考える家電量販店の将来像はかなり過激だ。

「日本では家電の売り上げが減少しているにもかかわらず、いまだに売り場面積の拡大が続いている。売り場が増えれば展示品が増える。ところが市場は縮小しているのだから展示処分品として安売りされるものがどんどん増えていく。メーカーはいつまでその負担を被れるのか。こんなやり方はもう持たないでしょう」

「店はショールームになっていく。お客さんが買うのはアマゾンやメーカーの直販ストア。顧客の利便性が高いのだから、この流れに抵抗してもダメだ。リアル店舗にしかできないサービスを追求することで物販ゼロでも稼げるようにしなければ」

しかし、初期設定をできないような高齢者が減ってデジタルネイティブなユーザーばかりになってしまえば、サポートは不要になるのではないか――。そう尋ねると次のように語った。

「家の中を見渡せば、購入時期がバラバラの、いろいろなメーカーのデバイスがあふれている。その組み合わせ次第で、何かと不具合が出てしまう。それは将来も変わらない。むしろますますサポートの需要が増えていくと思いますよ」

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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